わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2024年07月31日
判型:
四六判
ページ数:
240
ISBN:
9784046836618

わたしは、あなたとわたしの区別がつかない

  • 著者 藤田 壮眞
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2024年07月31日
判型:
四六判
ページ数:
240
ISBN:
9784046836618

15歳の自閉症当事者によるエッセイ。彼には世界がどう見えているのか?

15歳、自閉症当事者が書き下ろす
みずみずしくも胸に迫るエッセイ

自閉症者は何を考えているのか?
世界がどういう風に見えているのか?
その心の声を真っすぐに書いた自伝の登場!

(――五章 中学生編「あなたとわたしの区別がつかない」より)
わたしは、あなたとわたしの区別がつかない。
自分と他人の区別がつかないのは赤ん坊だそうだ。赤ん坊が成長して、一歳ごろに自分以外に人間がいることに、気がつく。これを発達と言う。保健の教科書にそう書いてある。二歳ごろになると、他の人は、自分と違うことを考えていると理解する。このあたりで、世界には自分と、自分ではない誰かがいるとわかるのだ。
わたしは精神の一部が、いまも二歳以下であるようだ。わたしの中に二歳児がいる。怖くて、しかし面白い。わたしがわたしであるように、同じように誰かも誰かである。自分でない誰かは、わたしとは違う人間である。別々の心を持っている。ゆえに、わたしが体験したことは、わたしだけのものである。あなたが体験したことは、あなただけのものである。説明されれば理解はする。何度も口に出して言ってみる。だがしかし、ほんとうのところではわからない。わたしが知っていることは、みんなも知っていると思ってしまう。

【著者プロフィール】
4歳の時に自閉スペクトラム症の診断を受け、小学校では支援級に在籍。中学受験を経て現在は私立高校に通う。
中学3年時に夏休みの課題の作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。
自身が経験した、外見や行動が相手に与える誤解、コミュニケーションに生じる不調や、脳の特性による世界の見え方などを綴り、SNSでも大きな話題となった。
15歳、自閉症当事者が書き下ろす
みずみずしくも胸に迫るエッセイ

自閉症者は何を考えているのか?
世界がどういう風に見えているのか?
その心の声を真っすぐに書いた自伝の登場!

(――五章 中学生編「あなたとわたしの区別がつかない」より)
わたしは、あなたとわたしの区別がつかない。
自分と他人の区別がつかないのは赤ん坊だそうだ。赤ん坊が成長して、一歳ごろに自分以外に人間がいることに、気がつく。これを発達と言う。保健の教科書にそう書いてある。二歳ごろになると、他の人は、自分と違うことを考えていると理解する。このあたりで、世界には自分と、自分ではない誰かがいるとわかるのだ。
わたしは精神の一部が、いまも二歳以下であるようだ。わたしの中に二歳児がいる。怖くて、しかし面白い。わたしがわたしであるように、同じように誰かも誰かである。自分でない誰かは、わたしとは違う人間である。別々の心を持っている。ゆえに、わたしが体験したことは、わたしだけのものである。あなたが体験したことは、あなただけのものである。説明されれば理解はする。何度も口に出して言ってみる。だがしかし、ほんとうのところではわからない。わたしが知っていることは、みんなも知っていると思ってしまう。

【著者プロフィール】
4歳の時に自閉スペクトラム症の診断を受け、小学校では支援級に在籍。中学受験を経て現在は私立高校に通う。
中学3年時に夏休みの課題の作文「自閉症を持つ私から見た日常」が文部科学大臣賞を受賞。
自身が経験した、外見や行動が相手に与える誤解、コミュニケーションに生じる不調や、脳の特性による世界の見え方などを綴り、SNSでも大きな話題となった。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「わたしは、あなたとわたしの区別がつかない」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 著者は15歳、「自閉症を持つ私からみた日常」という作文で文部科学大臣賞を受賞した経歴を持つ。15歳にしてこの文章力を発揮する著者に感服。自閉症という、実態について詳しく知ることが少ない症例を、内側から見つ 著者は15歳、「自閉症を持つ私からみた日常」という作文で文部科学大臣賞を受賞した経歴を持つ。15歳にしてこの文章力を発揮する著者に感服。自閉症という、実態について詳しく知ることが少ない症例を、内側から見つめ表現した事例として大変貴重なものではないか。本書を読む前と後では、発達障害をもつ子どもへの眼差しが変わってこよう。ここまで我が子に寄り添いながら、共に歩んでこられたお母さんの姿に感動する。全てのページに添えられたイラストは、著者自らの手になるもの。文章と共に、当事者の心の内を理解する大きな手助けとなる。 …続きを読む
    tamami
    2024年09月13日
    64人がナイス!しています
  • この本から、自閉症の人が考えていることを教えてもらい、「そうだったのか!」とわかることがたくさんありました。本当はイヤだと言えればよかったのだけど、どういう風にイヤと言えばいいのかわからなかったから、 この本から、自閉症の人が考えていることを教えてもらい、「そうだったのか!」とわかることがたくさんありました。本当はイヤだと言えればよかったのだけど、どういう風にイヤと言えばいいのかわからなかったから、黙り込んだり、暴れたりしてたのだということがわかって来るのです。 壮眞さん本人が大変なのはもちろんですが、彼をここまで育ててきたお母さんは凄いですね。きっと最初はどうしていいか分からないという所から始まったのだろうけど、今は彼の一番の理解者なのだと思います。 …続きを読む
    Roko
    2025年04月07日
    30人がナイス!しています
  • 自閉スペクトラム症と診断された著者が、自分には世界がどういう風に見え、何を考え、どのような日々を過ごしてきたかを紡いだエッセイ。可愛い装丁と15歳の当事者が書いたという点に興味を惹かれて手にとったけれど 自閉スペクトラム症と診断された著者が、自分には世界がどういう風に見え、何を考え、どのような日々を過ごしてきたかを紡いだエッセイ。可愛い装丁と15歳の当事者が書いたという点に興味を惹かれて手にとったけれど、控えめに言ってすごく良かった。文章上手すぎんか。読みやすいし、自由に描かれた藤田さん作のイラストも癒しかつ状況が掴みやすい。15歳だからこそ書ける内容だと思う。同じ母親としてお母さんの考え方にも何度も目から鱗だったし、最後の言葉には泣けた。自閉症に対する関心の有無に関わらず、ぜひ読んでみて欲しい一冊です。 …続きを読む
    亜希
    2025年01月29日
    27人がナイス!しています

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