あとは野となれ大和撫子

第157回直木賞ノミネート

あとは野となれ大和撫子

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2017年04月21日
判型:
四六変形判
商品形態:
単行本
ページ数:
384
ISBN:
9784041033791

第157回直木賞ノミネート

あとは野となれ大和撫子

  • 著者 宮内 悠介
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2017年04月21日
判型:
四六変形判
商品形態:
単行本
ページ数:
384
ISBN:
9784041033791

直木賞・芥川賞ダブルノミネートで最注目の新鋭が挑む超王道冒険エンタメ!

中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮(ハレム)を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。彼女たちはこの国を――自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、「国家をやってみる」べく奮闘するが……!?

内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積み。
それでも、つらい今日を笑い飛ばして、明日へ進み続ける彼女たちが最後に摑み取るものとは――?
中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮(ハレム)を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。彼女たちはこの国を――自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、「国家をやってみる」べく奮闘するが……!?

内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積み。
それでも、つらい今日を笑い飛ばして、明日へ進み続ける彼女たちが最後に摑み取るものとは――?

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

1.塩の都
2.水上の後宮
3.マグリスラード攻防戦
4.三人のミカエル
5.二人のドミートリィ
6.船の墓場
7.あまねく生者のために
8.レインメーカー

ナツキ・ナシーム・トオミネ

内戦で両親を失い後宮で育てられた日系孤児。技術コースを専攻しいつかアラル海を復活させたいと考えている。臨時政府ではなし崩し的に国防相を担当することに。口癖は「やることはやった。あとは野となれよ」。

アイシャ・ファイシャル

人望篤い後宮のエリートにして若い衆のリーダー。“睡蓮(ニルフィヤ)の笑み”と呼ばれる微笑みが印象的なクールビューティ。しっかり者だが時にボケる一面も。大統領暗殺を受け、臨時政府の大統領代行に就任。

ジャミラ・クンディ・サドザイ

ナツキを妹のように思っており、最初に仲よくなった人物。明るく勝ち気で面倒見が良いが、ノリに弱い面がある。銀のアクセサリーで鎧のように固めたファッションをしている。臨時政府では文化相を担当。

ウズマ・ハリーファ

建国時よりアラルスタンの女社会に君臨する、枢密院の議長にして後宮のボス。アイシャたちを雛鳥扱いし、折に触れ妨害する老女。後宮内の保守派を取り仕切り、無学だが誰よりも政治の肝を心得ている。

イーゴリ・フェルツマン

後宮に出入りする神出鬼没の吟遊詩人。西欧の道化を思わせる服装で、どこからか二胡片手に現れる。武器商人という一面も持っており、その真の顔は計り知れない。

ナジャフ・アリ・ラシード

イスラム原理主義系組織アラルスタン・イスラム運動(AIM)の幹部。大統領暗殺に乗じ、政権奪取をもくろみナツキと相見える。過激派組織に属してはいるが実はな保守派。優男風の容姿で後宮に隠れファンも!?

「あとは野となれ大和撫子」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • タイトルの軽やかな魅力に惹かれて購入。この著者の本は『ヨハネスブルグの天使たち』に次いで2作目。この人は創作の幅が随分広いようで、「カブールの園」(芥川賞候補作)などの純文学系もあるようなのだが、一方の タイトルの軽やかな魅力に惹かれて購入。この著者の本は『ヨハネスブルグの天使たち』に次いで2作目。この人は創作の幅が随分広いようで、「カブールの園」(芥川賞候補作)などの純文学系もあるようなのだが、一方の本作は、内包するテーマこそ重いものの、ライトノベルかと思うくらい(読んだことがないのだけれど)ひたすらに軽い文体と人物造形である。巻末にはかなりたくさんの重厚な参考文献が掲げられているが、内容からすればハッタリにしか見えない。つまり、著者の意気込みほどには成功しているとは言い難いのである。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2019年05月09日
    514人がナイス!しています
  • 宮内悠介は、新作中心に読んでいる作家です。第157回直木賞候補作3作目です。初めて著者のSF以外の作品を読みました。現地を取材したようですが、常に死と隣り合わせの地域の割には緊迫感は感じられませんでした 宮内悠介は、新作中心に読んでいる作家です。第157回直木賞候補作3作目です。初めて著者のSF以外の作品を読みました。現地を取材したようですが、常に死と隣り合わせの地域の割には緊迫感は感じられませんでした。主人公ナツキのキャラクターのせいかも知れませんが・・・宮内悠介は、やっぱりSFの方が良いのかなぁ?現時点では『BUTTER』が直木賞の本命です。 …続きを読む
    starbro
    2017年06月23日
    347人がナイス!しています
  • ソビエトの自然改造計画により豊穣な海が一面塩の大地と化し【20世紀最大の環境破壊】と呼ばれる、カザフスタンとウズペキスタンの狭間・アラル海跡地。ヴォズロジデニヤ島には【アラリスク7】と呼ばれる生物兵器 ソビエトの自然改造計画により豊穣な海が一面塩の大地と化し【20世紀最大の環境破壊】と呼ばれる、カザフスタンとウズペキスタンの狭間・アラル海跡地。ヴォズロジデニヤ島には【アラリスク7】と呼ばれる生物兵器試験場まで。人が住むには過酷過ぎる地域の環境改造に取り組み、建国された架空の国アラルスタン。独立記念日、壇上から国民広場に集った自国民に話しかける二代目大統領・アリーを銃弾が襲う。大統領の死をきっかけに動き出す各国、そして国内の反政府組織AIMが首都へ進撃の報に、命惜しさに慌てて逃げ出す政府高官たち→続 …続きを読む
    文庫フリーク@灯れ松明の火
    2017年12月04日
    240人がナイス!しています

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著者紹介

宮内悠介

1979年、東京都生まれ。早稲田第一文学部卒。2010年「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞してデビュー。12年、同名の作品集で第33回日本SF大賞を受賞。13年、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞を受賞、14年『ヨハネスブルグの天使たち』で第34回日本SF大賞特別賞、17年『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞、同年『カブールの園』で第30回三島由紀夫賞を受賞。他著に『エクソダス症候群』『アメリカ最後の実験』『スペース金融道』『月と太陽の盤 碁盤師・吉井利仙の事件簿』がある。

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