芭蕉のこころをよむ 「おくのほそ道」入門

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2014年10月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
256
ISBN:
9784044065133
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芭蕉のこころをよむ 「おくのほそ道」入門

  • 著者 尾形 仂
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2014年10月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
256
ISBN:
9784044065133

苦難の旅から“軽み”の世界へ!

「おくのほそ道」完成までの数年間に芭蕉は何を追い求めたのか。その創作の秘密を解き明かし、俳諧ひと筋に生きた芭蕉の足跡と作句の精神を具体的かつ多角的に追究する。『「おくのほそ道」を語る』を改題。 「おくのほそ道」完成までの数年間に芭蕉は何を追い求めたのか。その創作の秘密を解き明かし、俳諧ひと筋に生きた芭蕉の足跡と作句の精神を具体的かつ多角的に追究する。『「おくのほそ道」を語る』を改題。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

第一章 「おくのほそ道」を語る
一、テーマと構成
『おくのほそ道』の執筆時期
執筆の動機
二つの大きな課題
旅の実践の中から得たもの
宿業の旅
〈旅立ち〉
「行く春」と「行く秋」の照応
芭蕉との出会い
精神の旅人
二、歌枕・俳枕
虚構の時間
目当ての土地──歌枕
〈室の八島〉
〈黒髪山〉
〈那須野〉
〈遊行柳〉
〈白河の関〉
〈須賀川〉
〈最上川〉
〈象潟〉
俳枕──〈立石寺〉
〈越後路〉
〈種の浜〉
三、歴史への旅
歴史の厚みを透視する──〈日光〉〈文字摺石〉
生きている歴史──〈尾花沢〉
敗者の歴史──藤原実方
敗者の幻──源義経
和泉三郎──〈平泉〉への伏線
木曾義仲と斎藤実盛
悲劇の歴史の頂点──〈平泉〉
平泉への前奏──〈壺の碑〉
平泉の余韻──〈出羽三山〉
四、「軽み」への歩み
きびしい旅路と前途への決意
旅のおぼつかなさ──〈石の巻〉
転換点──〈尿前の関〉
人びととの交歓──〈大石田〉
人びとの暖かいもてなし──〈出羽三山〉〈酒田〉
出会いと別れ
軽々とした趣──〈敦賀〉
「軽み」の境地
山中三吟
言ひおほせて何かある
苦難の旅から軽みの世界へ
五、人間への愛情
俗に帰るべし
人間への関心──旅での出会いの喜び
芭蕉の心を引きつけた人びと──可伸・加右衛門
福井の等栽への共感
旅の効果
女性への愛情──〈那須野〉
〈市振〉
一つの想像
人間連帯の中で──〈松島〉

第二章 野坡本『おくのほそ道』を語る
一、野坡本『おくのほそ道』の出現
野坡本と諸本
芭蕉自筆本の証明
二、野坡本出現の意義
草稿本としての意義
西村本本文の補正
段落や読みの問題
手鑑となる野坡本
三、野坡本に見る芭蕉の推敲意識
野坡本は清書稿
代表的な訂正例
四、笠島・遊行柳・雄島が磯
〈笠島〉の章の改稿
〈遊行柳〉の章の改稿
〈松島〉の章の改稿

第三章 芭蕉を語る
一、この一筋
奥の細道三百年
芭蕉の履歴書
数寄のうながし
乞食の翁
二、百代の過客
漂泊の人生
旅人とわが名呼ばれん
旅の効用
不易流行
三、五十年の頑夫
栖居の弁
ほととぎす声横たふや
閉関
回心の一章
四、枯野の夢
年の名残
終の旅
病床の日々
風雅の妄執

 あとがき
 収録句索引

「芭蕉のこころをよむ 「おくのほそ道」入門」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 『おくのほそ道』が和歌の歌枕を辿って「修験道」を極める修行の旅だというのは間違いないのだが、もう一つ旅の中で出会った人との交流で培った「軽み」を目指す旅でもあった。「行く春や」で人々と別れ「行く秋」で 『おくのほそ道』が和歌の歌枕を辿って「修験道」を極める修行の旅だというのは間違いないのだが、もう一つ旅の中で出会った人との交流で培った「軽み」を目指す旅でもあった。「行く春や」で人々と別れ「行く秋」で照応を通して、人生は永遠に続く旅であることを示す。その過程として歌枕を巡って和歌の追悼としての頂点として平泉があり、対照的に三角形をなして上りとして「松島」があると下りに「象潟」があるという構図。その中で自然の変化と人々の変わらぬ生きることの不変、「不易流行」の理念を見出していく。 …続きを読む
    かふ
    2020年12月13日
    19人がナイス!しています
  • 芭蕉のこころをたどることができた。 芭蕉のこころをたどることができた。
    るい
    2018年08月10日
    2人がナイス!しています
  • ようやく読み終えた長かった芭蕉の旅。日常を離れて風雅の道へと旅立った芭蕉の行き着く先はやはり日常だった。さりげない人間同士の付き合いだった。 【心に残った言葉】芭蕉の旅は、単に空間を移動するだけでなく ようやく読み終えた長かった芭蕉の旅。日常を離れて風雅の道へと旅立った芭蕉の行き着く先はやはり日常だった。さりげない人間同士の付き合いだった。 【心に残った言葉】芭蕉の旅は、単に空間を移動するだけでなく、歌枕を巡礼することによって、日本の風土に刻みつけられた詩心の伝統を反芻し、そこに新しい創造のための源泉を汲もうとする、時間をさかのぼる旅でもあったのでした。(188頁) …続きを読む
    良さん
    2018年08月16日
    0人がナイス!しています

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