アルツハイマー征服 電子版
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発売日:
2021年01月08日
商品形態:
電子書籍

アルツハイマー征服

  • 著者 下山 進
発売日:
2021年01月08日
商品形態:
電子書籍

50パーセントの確率で遺伝し、その遺伝子変異を受け継げば、
100パーセント発症する。しかもその発症は若年。
アルツハイマー病の解明は、この家族性アルツハイマー病の家系の
人々の苦しみの上に築かれた。
遺伝子の特定から
トランスジェニック・マウスの開発、
ワクチン療法から抗体薬へ――。
名声に囚われた科学者の捏造事件。
治験に失敗した巨大製薬会社の破綻。
治療薬開発に参加した女性研究者の発症とその苦悩。
そして家族性アルツハイマー病を患った母の人生を語った女性の勇気。
幾多のドラマで綴る、治療法解明までの人類の長い道。

もくじ

プロローグ まきがくる 
「陽子はまきがきたのかもしれない」。りんごを摘みにでたはずの籠に実ではなく葉がいっぱいに摘まれていたのを見た時、一族の者たちは不吉な思いとともにささやきあった。

第1章 二人のパイオニア 
1981年のボストン。日米二人の若者が、アルツハイマー博士がかつてスケッチした患者の脳にあった「ひとだまのような塊」の正体をつきとめることからそれは始まった。

第2章  セレンディピティー
MBAを習得し帰国してきた新しい後継者のもと、製薬会社エーザイで「アセチルコリン仮説」に基づくアルツハイマー治療薬の開発が始まる。指揮をとるのは高卒の研究者だった。

第3章  アルツハイマー病遺伝子を探せ
東京・小平の新設の研究センターの田平武のもとを訪れた患者は若年性アルツハイマー病だった。「夫の親戚には同じ病気の人が大勢います」。その患者は、青森の長身の一族だった。

第4章  捏造の科学者 
1991年3月「ネイチャー」に華々しく発表されたアルツハイマー病を症状を呈するトランスジェニック・マウス。ついに人類は、「聖杯」を手にいれたのか。が、写真に疑義が。

第5章  アルツハイマー病遺伝子の発見
アルツハイマー病遺伝子の発見レースはデッドヒートがくり広げられていた。神経センターと弘前大のチームは、突然変異の場所を14番染色体の800万塩基まで絞り込む。

第6章  有意差を得ず
E2020の日本での治験は、第一相の10ミリで副作用が出たために、第二相では2ミリ投与がマックスとされた。が、米国の臨床チームは、それが誤りだ、と主張する。

第7章  ハツカネズミはアルツハイマー病の夢を見るか?
ハーバード大学のデニス・セルコーが設立した神経疾患専門の医療ベンチャー、アセナ・ニューロサイエンス。ついにトランスジェニック・マウスの開発なるか?

第8章  アリセプト誕生  
治療薬のなかったアルツハイマー病に初めて薬が生まれる。エーザイの内藤晴夫は、米国の臨床第三相を独自でやる賭けに出た。そのキーオープンの結果は。

第9章  ワクチン療法の発見 
グラスの中に浮かぶ氷を見たことから、アセナ・ニューロサイエンスの天才科学者はとてつもないアイデアを思いつく。アルツハイマー病はワクチン接種によって治せるのではないか?

第10章 AN1792
根本治療薬の期待を背負って「AN1792」の治験が始まる。フェーズ1を無事通過したあと米国と欧州で実施されたフェーズ2の治験で、だが、急性髄膜脳炎の副作用がでる。

第11章 ラエ・リン・バークの発症
AN1792の開発に参加したラエ・リン・バークは簡単な数学問題をドライブ中に頭の中解くことが趣味だった。通勤ドライブのさなか、それができなくなっていることに気づく。

第12章 特許の崖
アリセプトで一気にグローバル化を果たしたエーザイに「特許の崖」が待ち受ける。筑波の研究所に戻った杉本八郎は、次のアルツハイマー病新薬の開発をめざすが……。

第13章 不思議な副作用
バピネツマブの治験に参加した患者のMRIが奇妙な変化を示していた。自覚症状はない。しかし、浮腫や微細な出血が脳血管にあるようだった。これはいったい何なのだろうか?

第14章 バピネツマブ崩れ
1ミリグラムまで投与量をさげられたバピネツマブのフェーズ3。リサ・マッコンローグは投与量がこんなに低くては効かないのではと不安になる。親友のラエ・リンは治験に入る。

第15章 アミロイド・カスケード・セオリーへの疑問
アミロイド斑は原因ではない結果である。そう言ってまったく別のアプローチをとろうとした日本人科学者がいた。がその支流は大きくはならず枯れてしまう。その一部始終。

第16章 老人斑ができないアルツハイマー病
揺らいでいるように見えたアミロイド・カスケード仮説に強力な証拠が現れる。大阪市立大学が発見した「Osaka変異」と、アイスランドのグループが発見したある遺伝子変異だった。

第17章 発症の前を探る
家族性アルツハイマー病の家系の人々の協力をえて発症前30年をさかのぼる。セントルイスのワシントン大学を拠点に始まった国際研究が、発症前の脳内の変化を明らかにする。

第18章 アデュカヌマブの発見
バピネツマブの失敗を注意深く見ていた「ドラッグハンター」がいた。バイオジェン社のアル・サンドロック。アルは、「自然抗体」の治験を、バピを他山の石として設計する。

第19章 崖を落ちる
アリセプトの特許が切れ、エーザイの売上は急落する。そうした中、ビジネス開発部の鈴木蘭美は、治験費用の折半を目的とした共同開発のパートナーを探していた。

第20章 さらばデール・シェンク
エラン崩壊後、医療ベンチャーで再出発した天才デール・シェンクに病魔が忍び寄る。すい臓がんにおかされた最後の日々に、アデュカヌマブの治験成功のニュースが入る。

第21章 遺伝性アルツハイマー病の治験
遺伝性のアルツハイマー病の家系の人々はそれまで治療薬の治験に入ることができなかった。観察研究DIANを発展させたDIAN-TUは、初めて治験への道を開く。

第22章 私にお手伝いできることはありませんか
科学者として自分は他の人の役に立ちたい。そう言ってAN1792の開発にも参加したラエ・リン・バーグはいなくなってしまったのか? 記憶はなくなっても人格は残る。

第23章 中間解析
治験の費用を節約するためにもうけられたのが「中間解析」という考え方だ。中途のデータで治験を続けるか否かを決める。アデュカヌマブの「中間解析」の結果がでるが……。

第24章 勇気あるスピーチ
DIAN-TUの抗体薬の治験に日本のDIANは遅れて入れなかった。2017年、ロンドンで行われたグローバルな家族会に、青森から一人の女性が参加し、スピーチする。 

エピローグ 今は希望がある 
「今は希望があります」。90年代に家族性アルツハイマー病の調査をした田﨑博一は言った。近年の研究のめざましい発展に、患者の側も情報共有をし自己決定することが求められる。

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