政略結婚

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2017年06月24日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
360
ISBN:
9784041047682

政略結婚

  • 著者 高殿 円
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2017年06月24日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
360
ISBN:
9784041047682

江戸末期・明治大正・昭和、百二十年の間に女性の生き方はこう変わった!

金沢城で生まれた私の結婚相手はわずか生後半年で決まった。(中略)
早すぎると思うかも知れないが、当時ではごくごく当たり前のことで、
大名の子の結婚はすべて政略結婚、
祝言の日まで互いに顔を合わせず、文も交わさぬのが慣習である。
私の生まれた文化の世とはそういう時代であった。――第一章「てんさいの君」より

不思議な縁(えにし)でつながる、三つの時代を生き抜いた三人の女性たち。
聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らを三部構成でドラマチックに描き出した壮大な大河ロマン!
―――
加賀藩主前田斉広(なりなが)の三女・勇(いさ)は、生後半年で加賀大聖寺藩主前田利之(としこれ)の次男・利極(としなか)のもとに嫁ぐことが決まっていた。やがて生まれ育った金沢を離れ江戸へと嫁いだ勇は、広大な屋敷のなかの複雑な人間関係や新しいしきたりに戸惑いながらも順応し、大聖寺藩になくてはならない人物になっていく。だが、石高十万石を誇る大聖寺藩の内実は苦しかった。その財政を改善させるような産業が必要と考えた利極と勇が注目したのは――(「第一章 てんさいの君」)。
加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子。パリで生まれ、ロンドンで育った彼女は、明治41年帰国し、頑なな日本の伝統文化にカルチャーショックを受ける。やがて家とも深い縁のある九谷焼をアメリカで売る輸出業に携わることとなり、徐々に職業夫人への展望をいだくが、万里子の上に日本伝統のお家の問題が重くのしかかる。日本で始めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオンガールになった女性は、文明開化をどう生きるのか――(「第二章 プリンセス・クタニ」)。
貴族院議員・深草也親を祖父に持つ花音子は、瀟洒豪壮な洋館に生まれ育ち、何不自由なく暮らした。だが、花音子が幼稚園に上がるちょうどその頃、昭和恐慌によって生活は激変。すべてを失った花音子と母・衣子は、新宿の劇場・ラヴィアンローズ武蔵野座に辿り着く。学習院に通いながら身分を隠して舞台に立つ花音子は一躍スターダムにのし上がるが――(「第三章 華族女優」)。
金沢城で生まれた私の結婚相手はわずか生後半年で決まった。(中略)
早すぎると思うかも知れないが、当時ではごくごく当たり前のことで、
大名の子の結婚はすべて政略結婚、
祝言の日まで互いに顔を合わせず、文も交わさぬのが慣習である。
私の生まれた文化の世とはそういう時代であった。――第一章「てんさいの君」より

不思議な縁(えにし)でつながる、三つの時代を生き抜いた三人の女性たち。
聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らを三部構成でドラマチックに描き出した壮大な大河ロマン!
―――
加賀藩主前田斉広(なりなが)の三女・勇(いさ)は、生後半年で加賀大聖寺藩主前田利之(としこれ)の次男・利極(としなか)のもとに嫁ぐことが決まっていた。やがて生まれ育った金沢を離れ江戸へと嫁いだ勇は、広大な屋敷のなかの複雑な人間関係や新しいしきたりに戸惑いながらも順応し、大聖寺藩になくてはならない人物になっていく。だが、石高十万石を誇る大聖寺藩の内実は苦しかった。その財政を改善させるような産業が必要と考えた利極と勇が注目したのは――(「第一章 てんさいの君」)。
加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子。パリで生まれ、ロンドンで育った彼女は、明治41年帰国し、頑なな日本の伝統文化にカルチャーショックを受ける。やがて家とも深い縁のある九谷焼をアメリカで売る輸出業に携わることとなり、徐々に職業夫人への展望をいだくが、万里子の上に日本伝統のお家の問題が重くのしかかる。日本で始めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオンガールになった女性は、文明開化をどう生きるのか――(「第二章 プリンセス・クタニ」)。
貴族院議員・深草也親を祖父に持つ花音子は、瀟洒豪壮な洋館に生まれ育ち、何不自由なく暮らした。だが、花音子が幼稚園に上がるちょうどその頃、昭和恐慌によって生活は激変。すべてを失った花音子と母・衣子は、新宿の劇場・ラヴィアンローズ武蔵野座に辿り着く。学習院に通いながら身分を隠して舞台に立つ花音子は一躍スターダムにのし上がるが――(「第三章 華族女優」)。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

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『政略結婚』作品紹介

「政略結婚」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • ブクログプレゼント。幕末、明治、大正、昭和と、激動の時代を生きた女性たちの結婚と家柄にまつわる物語を、3人の主人公の視点から紡ぎだした大河ファンタジー(ってなんだ?)。一人目のお姫様こそ実在の人物だが ブクログプレゼント。幕末、明治、大正、昭和と、激動の時代を生きた女性たちの結婚と家柄にまつわる物語を、3人の主人公の視点から紡ぎだした大河ファンタジー(ってなんだ?)。一人目のお姫様こそ実在の人物だが、以降はフィクション。「女は結婚してこそ一人前」「子ども生んでナンボ」という世界ではあるが、必ずしもそれに真っ向から反対するわけではなく、それを自分のなかで消化して受け入れたり、うまくいなしてかわしたりする彼女たちの姿からは紛れもなく強さを感じる。悪くはないが、小説としてのおもしろさは、まあまあ。 …続きを読む
    徒花
    2017年07月24日
    323人がナイス!しています
  • 政略結婚というと、家のために犠牲になってとか、そんな不幸がうずまくイメージだけれど、それは後に創作された小説やドラマの影響だなって思った。実際には、結構幸せだったのかもしれないな、なんて。価値観も育ち 政略結婚というと、家のために犠牲になってとか、そんな不幸がうずまくイメージだけれど、それは後に創作された小説やドラマの影響だなって思った。実際には、結構幸せだったのかもしれないな、なんて。価値観も育ち方も、今とはまったく違う時代。形としては政略結婚だったとしても、夢や不安が入り混じった少女らしいときめきがあったのだなぁって思った。目の前の試練や現実を切り開き、ひとりの女性として立ち、命を輝かせ、まっとうした女性たち。江戸時代から昭和、そして平成を生きる私たちへ。てんさいの大皿に託した想いの形を受け継いで。 …続きを読む
    風眠
    2018年03月01日
    209人がナイス!しています
  • 文庫の表紙絵がとても素敵で惹かれて読みました。最初の勇は実在する人物で、政略結婚だったのに関わらず夫との仲が良く、夫も側室を置かずに…しかし夫や養子たちが次々に亡くなる中、何としても一族を守ろうとする 文庫の表紙絵がとても素敵で惹かれて読みました。最初の勇は実在する人物で、政略結婚だったのに関わらず夫との仲が良く、夫も側室を置かずに…しかし夫や養子たちが次々に亡くなる中、何としても一族を守ろうとする姿が描かれています。そして明治時代に幼い時に外国で過ごし日本での教育を受けさせられたが、その時代の政略結婚ではなく自分なりの結婚を見つけ出す万里子。最後に最期の華族として生まれて、時代の流れの中で財産を失い落ちぶれた中で、華族女優として生き残っていく花音子。3つの物語で出でくる絵柄のインパクトが強いです。 …続きを読む
    mariya926
    2021年12月23日
    143人がナイス!しています

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著者紹介

高殿 円

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア 三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励 賞を受賞しデビュー。
主な著作に「トッカン」シリーズ、「カーリー」シリーズなど。

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