• 尾形乾山である。あの、杜若図や風神雷神や紅白梅図の尾形光琳の弟の乾山。経済的に恵まれた境遇に生まれた乾山は、派手で遊びも豪放磊落な兄の光琳とは対照に、武骨で人間味あふれ、地味で親しみやすい人であった。 尾形乾山である。あの、杜若図や風神雷神や紅白梅図の尾形光琳の弟の乾山。経済的に恵まれた境遇に生まれた乾山は、派手で遊びも豪放磊落な兄の光琳とは対照に、武骨で人間味あふれ、地味で親しみやすい人であった。兄に金を貸したり、兄の手のついた女とその子の面倒を見たりする、お人よしなところもある。乾山は絵師としてよりも、陶工としての業績の方が名が通っている。野々村仁清に師事し、独自の絵付け、焼き方により、多数の作品を残している。この乾山の人となりを描いた短編。それに、狩野永徳、長谷川等伯らの絵師を書いた短編集。 …続きを読む
  里季

  2014年01月20日
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• デビュー作にはその作家の全てが詰まっているという。尾形乾山・狩野永徳・長谷川等伯・狩野雪信・英一蝶と安土桃山〜江戸時代の絵師を主人公とする短編５作品。私がこれまで読んだ葉室作品の、和歌や漢詩を効果的に デビュー作にはその作家の全てが詰まっているという。尾形乾山・狩野永徳・長谷川等伯・狩野雪信・英一蝶と安土桃山〜江戸時代の絵師を主人公とする短編５作品。私がこれまで読んだ葉室作品の、和歌や漢詩を効果的に取り入れる手法や、武士と共に文人墨客を描く手法はデビュー作からだったのですね。表題作「乾山晩愁」と「一蝶幻景」に『花や散るらん』の萌芽感じます。個人的に『大奥』（よしながふみさん）『大江戸釣客伝』（夢枕獏さん）が共鳴して『花や散るらん』含めた忠臣蔵・赤穂浪士討ち入りが甦ります。著者あとがきに→続く …続きを読む
  文庫フリーク＠灯れ松明の火

  2012年04月18日
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• 作者の直木賞受賞作を読んで登場人物の凛とした生き方に心を打たれたので、デビュー作も手に取ってみた。この作品では、安土桃山時代から江戸時代前半の狩野派にかかわる絵師たちが主人公になっている。名前も知らな 作者の直木賞受賞作を読んで登場人物の凛とした生き方に心を打たれたので、デビュー作も手に取ってみた。この作品では、安土桃山時代から江戸時代前半の狩野派にかかわる絵師たちが主人公になっている。名前も知らない人物が主役になっているけど、絵に対する姿勢を感じ取れたし、彼らの描いた絵が心に浮かぶ気がした。各話で登場人物はほぼ独立しているけど、ただ一人2つの作品に登場する彦十郎の変容ぶりには驚かされた。 …続きを読む
  ロッキーのパパ

  2013年02月15日
  23人がナイス！しています

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