角川書店

鈴木おさむ『美幸』 あなたのために、復讐してあげるから――。

残酷ないじめにあい、絶望から身を守るために、歪んだ独り遊びを作り出した少女・美幸。彼女が全てを投げ出した「無償の愛」の行方、そして心震える意外な結末とは……!

可笑しいほど痛く、哀しいほど純粋な愛の物語。

2014年1月22日発売

「復讐の恐怖の後に、こんな美しい愛が待っていたとは」 林 真理子
「壮絶さに何度も息を飲んだ。復讐モンスター美幸の激しい愛を感じてほしい」 山本文緒
美幸
  • 鈴木おさむ『美幸』
  • 発売日:2014年 01月 22日
    定価(税込): 1365円 / 四六判
    ISBN 978-4-04-110561-0-C0093
  • 人気放送作家が放つ、
  • 衝撃の恋愛小説!

新聞社主催の書道コンテストで優勝し、メディアに取り上げられて目立ってしまったことがきっかけで、学校で執拗ないじめにあい、ひとりぼっちで悲惨な学生時代を送ってきた美幸。大人になり、会社で出会った元役者、雄星に、自分の過去と同じ境遇を感じて、彼に無償の愛をささげることを誓う。その愛し方は猟奇的でもあり、時にばかばかしいほど滑稽でもあった。やがてその愛はエスカレートし、彼を悲しませる要因となるすべての人々に、彼に代わって復讐を企てていく……。

読者からの感動の声が続々!
  • Akabeeさん(主婦)
    「いじめ」のきっかけやその卑劣さの根拠のなさに、残酷さを感じます。レベルは違えど、自分の過去とも重なる部分もあったり。美幸の負のスパイラルを見ていると、切なくて胸が潰れそうでした。
    ただ、彼女は「復讐」に出る。その復讐の仕方も、「目には目を」的発想で常識を超えている。それが最大のインパクト。文字のイメージを膨らませる部分やオフィスでの小さな復讐のノウハウも面白かったです。
    結末がまたスゴイ。切なく苦しい中にも、少しの希望も見え…とはいえ、自分でも飲み込みきれない複雑な気持ちもありますが。とにかく、最初から最後まであっという間に読みきりました!面白かった。
  • Chaさん(学生)
    美幸の人生に訪れた一時の輝かしい瞬間が、地獄への扉を開くことになるという皮肉な展開が辛かった。
    その上でさらに読んでいて辛かったのは、彼女が苦しみの末に見つけた希望が「復讐」であったこと。
    もし、別の道を見つけられていたとしたら、彼女はもっと幸せになれたはず。でも、最後に判明した「事実」は間違いなく美幸にとって本物の「希望」であると思う。
  • MAYさん(会社員)
    人に褒められたい。自分のことを守りたい。好きな人のことを守りたい。
    「当たり前」とも言えることをしたかっただけなのに、なぜすべてが悪い方向に進んでいくのか。なんでこうなるんだ!と思ったり、もう悪くなっていくところを見たくない。と思ったりしながらも、一気に読み切った。
    好きな人のことをここまで思って行動しているのだから、ラブストーリーなのだけど、最後まで「ラブストーリーなのかな?」と確信を持てなかった。今までの恋愛小説とはイメージが違いすぎたから。
  • はるこ✩さん(主婦)
    内容は衝撃的でちょっと怖いけれど、不思議と嫌悪感は抱かなかった。
    冷静に考えたらこんな主人公・美幸には、近づきたくもないのだが、なぜか憎めなくて可哀想な人だなぁと思えてしまう。
  • Marinestützpunktさん
    ラブストーリーなのに、しょっぱなから衝撃的だった。淡々と語られる美幸の独白。間には法廷弁護士側の憶測が織り込まれるも、読んでいて痛々しくなって、何度も目を背けたくなった。
    奇怪な行動の裏には、実は同情したくなる事実や納得できる事情が隠されているものなのかもしれない。メディアと本人とのズレ。美幸と家族はいちばん近いはずなのに、すごく距離が開いている。物理的にそばにいるのに、人間性が分かり合えていないすれ違いが、コトを大きくしていく。
    本当に痛々しい。そして、誰しもがなり得る危険性をはらんでいる。
  • こんぺいとうさん
    鈴木おさむさんがこんな狂気の小説を書くんだ、というのが読後の率直な感想です。人は、1つの残酷な体験で負った傷で、人生をどのようにも狂わせてしまうというのがよく分かります。学生、特に中学や高校独特の、あの小さな社会での生きにくい時代で標的とされてしまった美幸の心の傷を思うと、その後に続く復讐や愛情の歪んだ表し方や方法を見ると分からなくもない気がして…悲しくて。
    また、漢字の組み立て方や意味など、以前よりも気になるようになりました。
  • ヴィヴィアンさん(主婦)
    「美幸」は鈴木おさむさんの人魚姫なのですね。
    “普通の恋愛小説だと思ったらビックリしちゃうと思います”との著者の言葉があったから、覚悟して読んだのに、最後まで何度も何度もビックリしちゃいました。
    本が届いてから、中断せずに一気に最後まで読んでしまいました。
  • みゅぜさん(大学院生)
    スペインには「幸福に暮らすことが最高の復讐」という諺がある。それさえも望めないゆえに、思いを寄せる人のために自らを傷つけていく彼女の姿があまりにも痛々しい。
    もし中学生の時点で、本当の意味で彼女が愛されていたら、愛されているという実感を得ることができたなら、何かは変わっていたのだろうか?
    それでも、最後に彼女が愛を受け取ったことが一番の救いだった。きっと、ここからが彼女の本当の復讐の始まりだから。愛されている実感を胸に、本当の幸せへの一歩を踏み出すことができるはずだから。
  • 奈月さん(学生)
    法廷での言葉の中に出てきた「期待がいかに子供を苦しめるか」と、いうことにとても共感しました。
    題名の『美幸』とジャンルの「恋愛小説」をいうことからして、ほのぼのとした内容かと思って読んだら、題名と内容のギャップが凄かった。
  • かぴさん(主婦)
    一気に読み終えてしまった。本当に、ずんずん読み進められる本だった。おもしろかった、とも言えるが、なんだか理解できるようなできないような。
    まず美幸の学生時代のいじめの部分は、やり切れない思いになった。よくいじめに関する書籍などはあるし、それらを読むたび思うが、いじめなんてなくなってほしい。でもなくならないだろうな、とも思う。
    それらいじめの経験から、美幸が歪んでいった、とあったが、読み終わってみるとそんなに歪んでいない。美幸は変わってるけどいい子だと思う。ただ、いじめる人間や虐げる人間が歪んでいる、と感じた。
    純粋な愛の物語といえばそうだな、と思う。愛にはいろんな形があるな、とつくづく思った。
  • Akari(学生)
    キャッチコピーにある通り、まさしく「無償の愛」であった。主人公・美幸の紡ぐ言葉のセンスと次々と展開する作品のスピードに引き込まれ、最後まで一気に読んでしまった。
    美幸の愛は一見狂気以外の何物でもないが、いつでもそこには正義があった。
    あらすじには、辛いいじめのせいで歪んでしまったと書かれていたが、私は美幸は誰よりもまっすぐ正直に生きていると思う。結局彼女も自分の人生に期待せずに生きることは出来なかった。ラストで様々な真実が一気に解き明かされるところは圧巻であった。そしてどうしようもなくせつなくもあった。
    作品を読むにあたって、ストーリーだけでなく美幸の創り出すことばにも注目して読んでほしい。素敵なことばが沢山ある。ほんとうに沢山の要素が含まれていてとても一言では言い表せないが、私はこれを読んで人生とか将来に対する考え方をちょっと揺すられた。しかしやっぱり私は自分の期待は他の誰でもない、自分の人生に乗せて生きたいと思う。
  • たぬきちまめしばさん(会社員)
    まず表現方法がとても面白いと思いました。すべてが登場人物の言葉で書かれていて、読んでいて音声で聞いているような感じがしました。
    その表現方法のせいなのでしょうか、フィクションでありながら目の前にどんどん情景が浮かんできて、まるでごく最近現実で起きた事のような感覚がしました。
    人間だれもが心の奥底に持っている狂気を見せつけられたような気がして、すこし怖いとさえ感じました。それほどに私には臨場感のある小説でした。
  • にゃんころもちさん
    いじめや、不幸の最中にいる人生を疑似体験することは気持ちの良いものではないが、引き込み方が上手く作品としては嫌いではないと思った。
    手紙によって進行する手法はこの作品に合っていて心理描写も巧み。よくこんな言葉が書けるものだ思う。共感する一文も多かった。
    村上に小さな復讐をする場面は面白くて笑ったが、これ笑っていいんだろかという気分にもなった。
  • ここさん(会社員)
    主人公美幸の裁判がメイン。
    その際に生い立ち、何故美幸の性格があぁもなってしまったのかという原因、そして犯行へ至るまでの経緯というのが本筋でした。
    終盤、花火がありました。
    えー!と言った後のラストえぇー!!
    さすがだな、と思いました。
    「無償の愛」
    その意味がラストで納得する事でしょう。
  • やまさん(主婦)
    とにかく今まで読んだことのない恋愛小説でした。ちょっとビックリしてしまいました。学生時代にいじめられたことによって心が歪んでしまった美幸が、大人になって、人を愛してしまったことで、心の奥にあるものが出てきたという感じでした。
    あるいみ人を愛するってすごいことだとおもいました。別のかたちで愛を表現させてしまった、いじめの残酷さを知りました。
  • ピアノさん(学生)
    読み終わったとき少し心が沈んでしまいました。内容が暗いというのも理由の一つですが、美幸の行動の本当の意味を人は理解してくれない、という点も悲しくなりました。
    美幸の行動は確かに褒められたものではないけれど、好きな人のために一生懸命だったことは分かるから相手にその気持ちを分かってもらえないのはとても辛いことだと思いました。
  • やまなしさん(学生)
    鈴木おさむさんの作品は「ワンピース」と「ジャングル大帝」くらいしか知らず、小説は初めて読みました。憎悪や歪んだ愛情といった感情を一人称の視点で描くというのはやりかたによってはとても読むのも苦しくなってしまいそうな題材でしたが、序盤から引き込まれる文章であっという間に読みきってしまいました。
    結果はともかく、歪み始めた過程に美幸の非はないため他者よりも少しだけ目立つことをしてしまっただけでここまで至ってしまった彼女は少し可愛そうだと思いました。
    バラエティ番組の作家さんが描く恋愛小説ということでポップな内容を予想していたので完全に予想の斜め上を行く作品でしたが、面白かったです。他の作品も読みたくなりました。
  • みさぽにさん
    百田尚樹さんの『モンスター』の様な暗さや変質的な思考だなと感じました。
    いじめの実態が一見地味に、大げさではなくリアルに描写されてて、自分には関係ない話ではなくて身近なできごとに感じられました。悪意というのは誰しもが持つ感情でそれを表に出すスイッチは案外簡単に押せてしまう、押されてしまうんだなと少し怖くなりました。
    美幸は確かに可哀想ですが許される行為ではありません。どんな生い立ちがあっても、誰かのためであってもやっていいことと悪いことがある。美幸の行動は肯定できませんが、でもほんの少しだけ気持ちは分かります。どんなに期待したくなくても裏切られても人間は期待してしまう、希望を求めてしまう生き物なんだなと。その感情がない方が平穏な人生を送れると美幸も分かっているのに、作中では何度も期待して裏切られ、それでもまた期待してます。でも期待しない人生は落胆はないかもしれないですが、幸せもないと思います。そのことを美幸も本能的に分かっていたのかなと感じました。
    最後は受け取り手によって感じ方は違うと思いますが、私は光があったと感じました。
  • 京極葵さん(学生)
    フィクションだというのにあまりにも生々しく現実的、しかし日常には程遠い内容でまるでワイドショーかなにかを観ている気分になりました。なので、物語に感情移入していくというよりは第三者、傍観者のように読み進めたと思います。
  • にっしーさん(会社員)
    過去にいじめられたからといって好きな人のためにここまでやれるのか。形はどうであれ、だれかがいやがらせをされて嫌な思いしている、やりすぎだと思ってましたが、どんでん返しでした。
    ラストではおもわず、泣けてしまいました。
    理由はどうであれ人を傷つけたことにちがいはありません。でも美幸の気持ちはいたいほどわかりました。好きな人を思いつづけるエネルギーをほかにむけることがすこしでもできれば、違った人生になっていたでしょうね。
鈴木おさむさん、著書を語る

CM動画

新刊ラジオを聴く

〜著者からのメッセージ〜

鈴木おさむ 撮影/ホンゴユウジ

  • 初めて恋愛をテーマに小説を書きました。
  • 僕なりの恋愛小説。
  • 普通の恋愛小説だと思ったらビックリしちゃうと思います。
  • 恋愛というより愛でしょうか。無償の愛。
  • 愛せるから幸せなのか?
  • 愛されるから幸せなのか?
  • ――放送作家 鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)

1972年、千葉県生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳でデビュー。
バラエティを中心に多くの人気番組を手がける。
現在はテレビ・ラジオの構成はもとより、舞台の作演出、映画の脚本や小説・エッセイも執筆。
主な著書に『ブスの瞳に恋してる』『芸人交換日記〜イエローハーツの物語〜』『天職』(秋元康と共著)など。
また2012年末公開映画「ワンピース フィルム ゼット」の脚本も手がけた。今回挑んだのは究極の恋愛小説。
妻・大島美幸さんが学生時代、いじめられ、虐げられた青春時代をすごしたことからヒントを得た作品。

【鈴木おさむオフィシャルブログ】 http://ameblo.jp/smile-osamu/