ストーリー

光と闇、生と死、善と悪、美と醜。
「10の願い」を叶える力を手に、未曾有の冒険がいま始まる――

2001年3月、突然目の前に現れた男にくじを引かされ、一等賞を当ててしまった斉藤夕月(34歳・無職)。フルムメアが支配する異世界へ飛ばされスタープレイヤーに選ばれた夕月は、スターボードに入力することで「10の願い」を叶えることができる力を与えられる。案内人の石松から説明を受けて衣食住を調えた夕月は、ある復讐をくわだてる。 ある日、マキオというスタープレイヤーが訪ねてきて交流がはじまり、ともにクンルンという国境の村へ遠征に向かった。クンルンに到着すると、隣国ラズナの兵に取り囲まれてしまうが、アメリカから来た守備隊長ラナログの取りなしによって歓迎される。その後、マキオのタワー村にラズナ王国の王子が亡命してくるが、裏切ったのは、なんとそのラナログだったという……人間の様々な欲望と思惑が交錯する世界で国づくりに奔走するうち、人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにし、夕月もまた、自身の殻を知らず知らずのうちに破ってゆく――。

ストーリー

スタープレイヤー

シリーズ第一弾

スタープレイヤー

2014年9月2日発売

定価:1500円(税抜)

四六判

ISBN 978-4-04-101924-5-C0093

ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ

シリーズ第二弾

ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ

2015年12月2日発売

定価:1800円(税抜)

四六判

ISBN 978-4-04-103466-8-C0093

プロモーションムービー

登場人物

画像をクリックすると、詳細が表示されます。

  • 石松
  • 夕月のスターボードに内蔵されている専用の案内人。頭頂部で髪を結んだ、痩せぎすの着物姿の青年。古めかしい言葉づかいで夕月にスタープレイヤーのシステムを説明し、10の願いが通るよう、相談に乗る。
  • 田中茂
  • タワー村に住むマキオの側近。もともとは外来民の難民だったが、現地人の女と結婚し、娘をもうけている。

イラスト/鈴木康士

スタープレイヤーの世界

古の昔、まだ国もなく、ただ大地だけがあった。人々はいつも飢えながら、大地をさ迷っていた。大地には、貪欲な妖獣ベマスがいて、人々を襲って食べていた。長きにわたってさ迷い人はベフマスの餌であった。しかしあるとき、巨人を引き連れた大英雄が現れ、ベフマスを倒した。ベフマスの肉から、羊が、山羊が、豚が、牛が生じて、八方に散った。そして今度は人間が、それらを食べるようになった。世界が平和になると巨人は眠り、それぞれが山になった。ベフマスを倒した大英雄は、星界の神に祈った。星界の神は、馬を、槍を、家を、文字を、炎を、人々に与えた。そして人々は豊かになり、誇りを知った。大英雄は最初のフェムとなった。〈ラズナ・トレグの神話より〉

地図
10の願いのルール 一、スタープレイヤーは、スターボードを使用し〈10の願い〉という力を与えられる。一、ただし、元の世界に戻るという願いは、スタートより百日後でないと叶えられない。一、元の世界に戻る、と願ったら、残りの願いの数にかかわらず終了する。一、願いはスターボードで文章の形にする必要がある。一、文章を送るとフルムメアが審査し、それが通れば、願いを確定させることができる。一、抽象的だったり、観念的だったり、物理法則の土台を変えてしまうような願い、また制限をとったり、矛盾をはらんだ願いは却下される。一、願いを叶えられるのはこの惑星のなかだけであり、スターボードの地図に記入されていない場所には何もできない。

スタープレイヤーのマキオの暮らすタワー村の先に、キトパ族、タナ族、ストク族などで構成される建国150年のラズナ王国がある。さらにその先にはトレグ族の支配領域となっており、対立は戦争へと発展している。ラズナとトレグはもとは一人のフェム(指導者)のもとに集う同じ部族だったが、150年前に分裂。片方が湖水地方を治めてラズナとなり、もう片方がその先の領土を治めてトレグとなった。

著者紹介

恒川光太郎

©澁谷高晴

恒川光太郎

(つねかわ・こうたろう)

1973年東京都生まれ。大東文化大学卒。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞。単行本はデビュー作にして直木賞候補に。続く『雷の季節の終わりに』と『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補と、新作を出すごとに注目を集めている。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『私はフーイー 沖縄怪談短篇集』。2014年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞、本作が受賞第一作となる。

インタビュー動画

絶賛の声、続々!!

著名人の方からのコメント

小説の魔術師に乾杯! 圧倒的な想像力で、惑星を丸々ひとつ創造する恒川マジックのスケールに酔う。 石田衣良(作家) 恒川光太郎という作家がゼロから新たにつくられていくような感動がある 円城塔(作家) 「10個も願いが叶えられたら、しあわせになれるに決まってるじゃん!」と思う人は、ぜひこの本を読んでください。恒川光太郎の、新しい代表作! 大森望 読みはじめたら、止まらない。心の地図を広げる物語! 坂木司(作家) 長篇の内容を短篇で書いてしまう男・恒川がついに大河小説に着手した。テーマは人の夢と欲望。読むしかない! 杉江松恋

書評家 大森 望からの書評

書店員の方からのコメント

  • これは大人のための、大人が元気を出すための力を秘めたファンタジーです!
    ブックファースト なんばウォーク店 堀池茉莉さま
  • 言いたいことは一つだけ。
    「スタープレイヤーになりてぇ……」
    ジュンク堂書店 西宮店 天野勝貴さま
  • スタープレイヤーが夢の道具になるか、地獄の入り口への罠になるかは、生き方と信念次第。
    願うって難しい…。ページをめくる手が止まらず、
    気がついたら朝でした。
    MARUZEN名古屋栄店 竹越香里さま
  • ファンタジーでありながら、人類の本質をとらえている読みごたえのある作品!
    山下書店 渋谷南口店 香月孝之さま
  • 知恵と勇気で道を切り開く、胸躍る冒険譚!まさに恒川さんの新境地!
    ときわ書房IY船橋店 小峰麻衣子さま
  • “10個の願い”を叶えてもらえるとしたら、何をするだろう…壮大なストーリーに没頭しました。
    丸善ラゾーナ川崎店 山田佳世子さま
  • 今流行の異世界ものだけれども、奥が深くて、恒川光太郎ならではの仕上がり!
    有隣堂 厚木店  佐伯敦子さま
  • あまりの壮大さに圧倒されつつも、物語の中を生きる不思議な読書体験ができました!
    ジュンク堂書店 新潟店 涌井有紀さま
  • “10の願い”を携えて異世界で大冒険! 続刊期待!!
    あおい書店 中野本店 田中薫さま
  • “10の願い”を叶えられる力は、すばらしい最強の力のようでいて、実際は重く恐ろしい力に思えてならない。
    紀伊國屋書店 さいたま新都心店 武田真樹子さま
  • リアルで皮肉がきいた前半が一転、後半はゲームファンタジーのような展開へ……続きが気になります!
    平安堂 長野店 町田佳世子さま
  • ひとりの女性の人間的成長を丹念に描ききった素晴らしい作品。こんな恒川光太郎、初めて! いやー、おもしろい!!
    オリオン書房ノルテ店 辻内千織さま
  • ごく普通の日常が壮大な非日常へ――ダイナミックな展開があまりにも鮮やか。哀しき現実も願いが叶う毎に果てしない理想へと近づいてゆく。しかし、これは夢物語のようなファンタジーではない。我が身をしっかりと見つめ直した自分探しの旅でもある。主人公の成長の先に見えた希望の光が心地よく眩しい。著者の確かな筆力を充分に堪能できる作品だ。
    三省堂書店神保町本店 内田剛さま
  • また新たなファンタジーの開幕をあなたは目にする――生きるための選択も、立場が違えば善は悪になり、その逆もしかり。自分が信じたことを信じていくしかない。前に進んでいく夕月の今後が早く知りたい!
    福家書店神戸店 宮田修一さま
  • 一文一文がチェスの1手のよう。チェックメイトへ繋がる。
    喜久屋書店高岡店 奥井将さま

読者モニターの方からのコメント

  • 想像していた以上のスケールの大きさに圧倒されました。同時に、空想・幻想の世界に生々しい人間の欲望や業を取り込んで、現実と空想の交錯を意図的に描いた作者の巧緻さに舌を巻きました。(65歳・男性)
  • 普通のファンタジーとはまたちょっと違った意味で続きが異常に気になる!いろいろなことに挫折しつくした大人だからこそ読まねばならない福音書だと感じた。(30代・女性)
  • 「現代版 国生み神話」という印象を受けました。物語のテンポも良く、サクサク読み進められます。(20代・女性)
  • 今までの著者の小説にはない世界観で驚き、イメージが変わりました。まるでゲームをしているような感覚、RPGの壮大な世界。もし自分がスタープレイヤーに選ばれ、違う世界に飛ばされたら何を願うだろう・・・と主人公の気持ちになりながら真剣に考えてしまいました。(50代・女性)
  • 主人公の成長を描きつつ、ほんとは願いというものはとても難しいものだということが伝わってきた。(10代・男性)
  • 主人公は等身大の現代女性で、迷い込んだ世界はとてもシステマチック。ファンタジーなのに、明快でリアル。ファンタジーファンでなくても夢中になれます。(20代・女性)
  • 七夕の笹に掛けられた願いの短冊、絵馬の願い事など、他人の願い事は、結構面白い。夕月が仲間の力によって、パワーアップしながらの冒険は、手に汗握る思いで、一気に読み切れた。(50代・女性)
  • 妖しく繊細な今までの作品のファンでした。でもこの本がきっかけでもっともっと恒川さんの引き出しを見てみたい!という思いにかられました。(30代・女性)
  • 恒川さんの作品は何作か読んできましたが、今までの幻想と現実の間の世界という雰囲気ではなく、新しいファンタジーの世界が開かれた作品のように思いました。一つの国の創世記でもあり一人の女性が自分の可能性を広げていく小説。そんな風に思いました。(20代・男性)
  • 冴えない日常と夢のような非日常。ワクワクして胸が高鳴る序盤。ミステリアスな中盤のスターの使い方。そして後半これ以上ないスターの見事な使いで物語は無事終わる。終わった後、果たして彼女の物語はいつ終わるのだろう…しばし感慨にふける時間が必要だった。SFが苦手な私が休む間もなくページをめくり続けた壮大なおとぎ話だった。初めての読み心地で非常に斬新だった。(40代・女性)
  • なんという物語なんだろう。展開される物語のスケールの大きさに息を呑む。読了した今も未だ興奮は冷めない。これ程わくわくして、同時に様々な感情を想起させられ、深い余韻を残してくれる作品は久しぶりです。(30代・女性)
  • 読み終えて感じたのは「平和」を維持することの難しさ。誰もが必要以上に欲に溺れず、ほどほどに楽しみながら生きるなら争いと無縁に生きられるはずですが、支配欲や征服欲に憑り付かれた者はどこの世界にも現出するものですね。そこに虚しさも感じましたが、ラストの主人公の行動からは清々しさが伝わってきたので、爽やかな読後感を得ることができました。(50代・男性)
  • ”願い”というテーマのファンタジー小説でこんなにも考えさせられるとは思ってもいませんでした。感想を書いている今でも、もう一度読み返したくてうずうずしています(20代・女性)
  • 面白かったー!あらすじを見た感じではいつもの恒川作品とは違うのかな、とっつきにくかったらヤダなと思っていたけれど読み始めたら止まらない、とにかく、この新しいシリーズ(ですよね?!)の今後が凄い楽しみ。(30代・女性)
  • 10の願いを叶えられると言われたら、どうするだろうと考えた。案外その願いが明確化しないことに気がついた。(40代・男性)
  • このスケールの物語を文字で味わうという、とても贅沢な一時を過ごさせて頂きました。誰もが生まれながらに持っている「争う」という概念に、視点を置きつつも、最後に残るのは未来であり希望です。平凡な人として生きている今を見つめる、良い手助けとなる一冊です。このタイミングで出会ってよかったと、心からそう感じます。(20代・女性)
  • 日本的な幻想ホラーという従来作とは完全に一線を画した、西洋的な趣もあるRPG風味の物語に驚きを隠せませんでした。(20代・男性)

用語辞典

  • スタープレイヤー

    フルムメアに選ばれた存在が、異世界に飛ばされて、〈10の願い〉という力を与えられる。
    地球に帰還する、という以外であればほぼどんな願いでも叶えられる、万能の存在。各スタープレイヤーには、専用の案内人がプログラムされており、願いの相談なども受け付けている。この異世界のどこかで他のスタープレイヤーに出逢った場合、この案内人プログラムの「挨拶」の機能を使って、任意で交流することができる。

  • スターボード

    スタープレイヤーに支給される、願いを表示する黒いタッチパネル。スタープレイヤー以外には見えない。電池もバッテリーもなく、また水、雷、強い衝撃、何があっても壊れないが、紛失すると再び与えられることはない。願いを文章化して送信すると、フルムメアが審査し、通れば願いが叶う、というシステム。辞典や地図の機能もあわせもち、友達登録をしたスタープレイヤー同士であれば、電話やメールのような通信手段としても使うことができる。

  • フルムメア

    この異世界を支配しているシステム。人類よりずっと進んだ異星人的な存在とされるが、絶対に姿を現さず、干渉もせず、男女も性格もなく、その実体は謎に包まれている。スタープレイヤーの願いを審査し、叶える力を持つ。

  • タワー村

    スタープレイヤーのマキオがスターを使って作った領域。現地人や外来民も集まってきて、コミュニティを形成し暮らしている。森のなか、10メートルほどの高さの壁の奥に10階建てくらいの高さの円筒形の建物が六つ建っており、それぞれは空中通路で繋がっている。現地人のキトパ族も住んでいる。図書館タワー、多目的タワー、客人用のホテルタワー、レストランタワーなど、その目的によって棟がわかれている。