第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作 気障でけっこうです 特設サイト 小嶋陽太郎

万城目学、徳永圭らを輩出した新人賞から、史上最年少の現役大学生作家がデビュー 角川書店四六判・並製・296ページ・定価:本体1300円+税 10月30日発売

“面倒くさがり今どき女子高生”が、“ちょっぴり失礼なおとぼけ幽霊”と過ごす、愛おしくて、かけがえのない日々。笑、涙、謎、友情——大切なこと、すべてあの人が教えてくれた。爽やかで切ない風が吹き抜ける、極上の青春小説

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ストーリー 女子高生のきよ子が公園で出会ったのは、地面に空いた穴に首までぴたりと収まった“おじさん”でした・・・・・

男は、なぜおとなしくしっぽり穴に収まっているのか!?
きよ子は男を助けるために奔走するが、その途中運悪く車にはねられ病院へ。
そして意識を取り戻した彼女の前に、公園で埋まっていたあの男が突然現れた。
「私、死んじゃったんですよ」そう、男は幽霊となっていた!?
ぴっちりと髪を七三に分けた、シチサンと名乗るどこか気弱な幽霊と、
今どき女子高生の奇妙な日々が始まった――。

気障でけっこうです
気障でけっこうです

10月30日発売 角川書店 四六判・並製・296ページ・定価:本体1300円+税

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あらすじ動画

『気障でけっこうです』が受賞した、ボイルドエッグズ新人賞とは?

三浦しをん、万城目学、滝本竜彦、徳永圭らを輩出した
作家エージェント「ボイルドエッグズ」が主催する文芸新人賞。
数々の才能がここから巣立っています。

ボイルドエッグズ新人賞

『気障でけっこうです』選評

ボイルドエッグズ代表 村上達朗

今回の受賞作、小嶋陽太郎氏『気障でけっこうです』には驚かされました。意識的に古風と今風を織り合わせた、ユーモアを感じさせる文体が非常によく、物語もいきなり、 どうにもこうにもいきづまるということは、人間三十年以上生きていればいずれはどこかであるものでして、まあそれが今なんですけれども、それで、前にも後ろにも、また右にも左にも、はては上にも下に向かっても一寸たりとも動けぬという悲惨な事態になっております。
 という独白で始まります。ぼくはこういうなんだかよくわからない、人をくった書き出しが好きな質なのですが、じきに、これは独白でなく、主人公である「私」に語りかけている人物のせりふだということが判明します。この人物はどうやらこの世に絶望しているらしく、そのわけも次第に明らかになってきます。主人公の「私」は日常生活に退屈しており(新学期が始まったばかりとあるので、学生、それも高校生のようだ)、気鬱を紛らわせるために雨の中散歩に出て、寂れた公園の地面に空いた穴に見ず知らずのおじさんがすぽんと収まっているシュールな光景を目にするのです。この主人公の「私」というのがまた、変に年寄りくさい男子で(調子がどこか内田百閒を思わせる)、しばらくはよくある「鼻持ちならない自意識過剰男子の一人称もの」かと思いつつ読み進むと、あるところに、この自意識過剰の年寄りくさい高校生が実は女子だったとわかる一文がさりげなく置かれていて、読者は一杯くわされたことに気づきます。ぼくはここで、やられました(笑)。このあと、主人公たる女子高生は、穴に埋まったおじさんを救出すべく、自宅にシャベルを取りに戻るのですが……残念ながら、ここから先のストーリーは割愛せざるを得ません。なんともシュールな書き出しに畳み掛けるかのように、物語は意想外な展開を見せるからです。 (気になる続きは、ボイルドエッグHPで。次回募集要項も掲載)

著者紹介

著者、小嶋陽太郎氏は信州大学在学中の現役大学生!

きよ子と幽霊の会話を楽しんでいただければ、これ幸いです。ついでに二人の行く末を最後まで見届けていただければ、僕はとてもハッピーです。思わず見届けたくなる本になったかと思います。ぜひともお楽しみください! 小嶋陽太郎

【プロフィール】

小嶋陽太郎(こじまようたろう):1991年、長野県松本市生まれ。信州大学人文学部在学中。
2014年、本作品で、第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞。

小嶋陽太郎

撮影/ホンゴユウジ

応援コメント

著者在学中の信州大学関係者からメッセージ!

木漏れ日の優しさと、せせらぎの心地よさ。
そんな信州の春を思わせる、温かな物語です。

——夏川草介(作家。『神様のカルテ』ほか。信州大学卒)

軽やかでスピーディーで、いきなり泣ける。伊坂、西尾、舞城、森見、万城目につづくすごい才能が現れた!

——横里隆(上ノ空代表・元「ダ・ヴィンチ編集長」。信州大学卒)

独特の文体、個性的な視点、独創性を育てる信州大学発の若き才能を応援します。

——山沢清人(信州大学学長)

書店員さんからも続々感想が!

紀伊國屋書店 店売総本部 福田志摩さん
女子高生が首から下が穴に埋まったおじさんに出会うという奇想天外、不思議なストーリーがとにかく気になりました。奇抜でシュールながら、意外や意外、なかなかホロリと切なく、惹きつけられるストーリーで面白い!「何が起きたのだ!?」という印象的な書き出しから始まる、今までにないストーリー展開。意外な展開・結末が待っているのに、あらすじのさわりだけ見て、読まないなんて、勿体ない。読んでいくうちに、いつしか得体のしれない幽霊・シチサンを応援していました。
主に通勤の時に読んでいたのですが、次のページをめくるのがもったいないくらいでした。時間が経つのを忘れて読み込んでいて気がつけば下車駅。かなり没頭してしまいました。

三省堂書店ルクア大阪店 中澤めぐみさん
面白かったです!おじさんが地面に埋まってるっていう出だしからして最高でしたが、シチサンの正体とかラストとか巧い具合に裏切られる展開もお見事!まだ若いのにたいしたもんです。いやはや、まったく将来が楽しみな作家さんですね! 大いに化けてくれることを期待します。 いやはや楽しみ楽しみ。

三省堂書店 京都駅店 鶴岡寛子さん
ユーモラスな文体とテンポの良い展開で飽きることなく物語が進んで行ってその伏線回収するんかいっていう驚きで瞠目しつつも楽しく読めました。キャラクターの個性も良いし、物語も面白かった。次回作が楽しみで仕方ない。

オリオン書房ノルテ店 辻内千織さん
地味なシチサンの男気あふれる一面が妙に頼もしいです。何この嘘っぽい幽霊。なにはともあれ、もう何と言っても、一番言いたいのはこれです、キエちゃん!!最高!!!こんなカッコいい幼なじみ、私も欲しかった!

ブックガーデン佐沼かのげん 加藤寛司さん
人は共に歓び、共に笑い、別れを経験して悲しみを学ぶことで成長していくものです。この幽霊の存在がきよ子にその全てを教えてくれたのではないでしょうか。きよ子にとってこの幽霊との出会いは必然的なものだったのかもしれません。序盤のとんでもない設定に度肝を抜かれたが、ここから物語がどのように展開していくのかワクワクしました。突如として現れた幽霊。こんなのが自分の身に起きたら誰だって驚きます。そしてシチサンの淡々としたキャラもいいですね。きよ子とシチサンの微妙な距離感が少しずつ縮まっていく様子が面白かったです。シチサンの真実に近づくにつれて、のんびりとしていた物語が一気にサスペンスに変わり中盤からはページをめくる手が止まりませんでした。
小嶋陽太郎は私の要チェックリストに登録しておきます。

明林堂書店 日出店 後藤さん
キエちゃん、おそるべし!
実は読み終わった時点で、頭の中はキエちゃんでいっぱいでした。クライマックスでのキエちゃんのあの勇姿が頭から離れません。少し時間をおけば落ち着くかと思ったのですが、どうにもなりません。もう、キエちゃんに降参です。
重くなりそうな部分も、きよ子とシチサンのちょっととぼけたやりとりでくるんでいるのでつらくなりませんでした。
味わいのあるとってもチャーミングな作品でした。
やっぱりキエちゃんが最高!

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©KADOKAWA CORPORATION イラスト/西村ツチカ