


江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!!
江戸、四代将軍家綱の御代。戦国期の流血と混迷が未だ大きな傷として記憶されているこの時代に、ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの計画は、そのまま文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。
実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれながら安穏の日々に倦み、和算に生き甲斐を見いだすこの青年に時の老中・酒井雅楽頭が目をつけた。「お主、退屈でない勝負が望みか?」
日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描いた新境地。時代小説家・冲方 丁誕生の凱歌がここに上がる!
初出:「野性時代」 2009年1月号〜7月号
寛永16年(1639年)江戸幕府碁所・安井算哲の子として京都で生まれる。承応元年(1652年)、父の死によって二世安井算哲を継ぐ。囲碁の研鑽の一方で天文・数学・暦学などを学び、21歳の時に各地の緯度を計測して、当時用いられていた誤差のある宣明暦からの改暦を申し出る。申し出ること三回、ようやく朝廷に採用され、春海がつくった新しい暦は、貞享暦として後の太陰暦の基本となる。その功により貞享元年(1684年)碁所をやめ初代幕府天文方に任じられる。正徳5年(1715年)77歳で没。
二代将軍秀忠の実子にして、将軍家綱の後見人。文化による日本統一を目指して春海に改暦事業を命ずる。
天下の副将軍。激しい気性に凶暴とも言うべき行動力を持つ。なぜか春海を気に入り庇護者となる。
「和算」の開祖ともいわれる日本数学史上の偉人。同年代ながら春海の熱烈な憧れの対象。
碁の名門本因坊家・中興の祖である天才。春海を慕い、彼が囲碁に身を入れないことを日々怒っている。
荒木家の息女。算術好きで、春海が関に挑む算法勝負の見届け人になる。潔癖で怒りっぽく、その矛先は春海に向かいがち。
いま、最も愛されている時代小説はこれだ!!
作家も、学者も、棋士も、ライターも、書店員もTVマンも――
本読み心を轟かせる「勇気百倍」のエンタテインメント!
「現代人もこういう風に生きられないはずがない。同じ日本人なのだから。」養老孟司氏(1/10毎日新聞「日曜書評」より
「『こういう生き方って、いいよね』という素直で朗らかなロールモデルの提示。」内田樹氏(共同通信配信書評より)
「実直・素直な渋川春海が愛らしい!苦労したって挫折したってめげない算術オタクに惚れました。」瀧井朝世氏(ライター)
「たくさん迷ってじたばたしている人にこそ、この物語は読んでほしい。自分の中にある北極星はきっと、春海のようにもがいたらこそ見えてくるのだ。」小出和代氏(紀伊國屋書店 新宿本店)
「この小説を読んで、学問って最大のエンタテインメントだと思った。感動です!」水野 剛寿(TBSテレビ「王様のブランチ」(TBS系土曜朝9:30〜14:00)ディレクター)
「きっとあなたの心にも『必至!』の一言が熱く、心地よく響きます。」奥井 将氏(喜久屋書店 高岡店)
「春海のような人物が今のこの時代に現れたら、日本はもっと変わるのかもしれない。」野村美緒氏(宮脇書店 宇部店)
「我々、日本の天文学者の祖たる渋川春海を、いきいきと現代に蘇らせた本書に感謝感激。まるで渋川が乗りうつったような、この才能ある書き手を絶賛したい。」渡部潤一氏(天文学者)
「合戦も剣客もない時代小説。これが滅法おもしろい!!」北住晴弥氏(大垣書店 四条店)
「天と地を正しく結ばんとする英知の挑戦に奮え、苦闘の果てにもたらされる光明のまぶしさに涙した。『天地明察』、それは壮大かつ典雅な“人智明察”の書なり!」宇田川拓也氏(ときわ書房本店)
「面白くて一気に読みました。全ての情景が目に浮かぶようでした。」梅沢由香里氏(囲碁棋士)
「1つのことを成し遂げようとする人の姿がこれほど美しいとは!読んでいて涙が止まらなかった。」加藤 泉氏(有隣堂アトレ恵比寿店)
「スゴイ!オモシロイ!泣きました!近年まれにみる時代小説、いや直木賞をあげます!私が!」松川智枝氏(啓文堂書店 吉祥寺店)
「渋川春海、関孝和など江戸時代の優れた知性が見事に描かれている。彼らに思いきり働く場が与えられていたこの時代がうらやましい。」佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
「命を吹き込むとはまさにこれだ。熱い思いが煮えたぎっている。」高橋克彦氏(作家)
「日本文化に刻んだ時間の印形。前代未聞のテーマを制した超弩級の作品。」森村誠一氏(作家)
(順不同)
幼少期より父の仕事の関係でシンガポール、ネパールに在住し、異文化の混沌に触れながら成長。
14歳で帰国後、コミック・ゲームなど日本最先端メディアの洗礼を受けた。
早稲田大学在学中に『黒い季節』で第1回スニーカー大賞 金賞を受賞しデビュー
ゲーム制作者としてデビュー。以後『カルドセプトサーガ』など先鋭的なゲーム開発に多数関わる。
角川書店より受けた2冊目の書き下ろし依頼に対し、当初予定の10倍ボリュームで原稿を送り担当者を驚愕させる。驚異的に緻密な世界設定のもと、哲学的ともいえる思考を持った登場人物たちが闘いを繰り広げるこの作品は後日『ばいばい、アース』上下(現在角川文庫 全4巻)として刊行された。
『ピルグリム・イェーガー』でコミック原作者デビュー
小説『マルドゥック・スクランブル』にて日本SF大賞受賞 『蒼穹のファフナー』にてアニメ制作デビュー
小説・アニメ・マンガ『シュヴァリエ』制作 複数メディアを横断するクリエーターとして独自の地位を確立する。小説『シュピーゲル・シリーズ』スタート 富士見ファンタジア・角川スニーカーの2レーベルに渡り、相互補完的なストーリーを繰り広げるという、小説界で初の試みに挑戦し、話題となる。
小説誌『野性時代』に提出した中編が、あまりの内容の濃さに編集部で論争を呼び、長編としてバージョンアップ・スタートすることに決定。この作品が、初の一般向け時代小説『天地明察』となった。
[公式HP]http://www.kh.rim.or.jp/~tow/ [公式ブログ]「ぶらりずむ黙契録」
冲方丁の文庫作品
Coming Soon!!
テスタメントシュピーゲル2(角川スニーカー文庫)初夏
冲方丁の新しい時代小説
『光圀伝』
獣の宿命を背負った男――その名を、光圀。
まったく新しい“水戸黄門”像の誕生!!
角川書店の小説誌「小説 野性時代」にて好評連載中!
作中に登場する「金王八幡宮」は、寛治6年(1092)年、源義家によって渋谷氏の居城内に創建されたといわれる、東京・渋谷区に実在する神社です。江戸時代は、江戸八所八幡の一つとして数えられ、春日の局が家光将軍決定の御礼として建立した総漆塗りの社殿は慶長17年(1612)の建立で、渋谷区内では最古の木造建築物とされています。
ここに、江戸時代に奉納された算額が三点保存されています。
このうち扇形をした算額は、扇の形をしたたいへん珍しいものです。
現在、一般公開はされていませんが、神主さんにお願いすると見せてくださいますよ。
ぜひ、お参りに行かれてみてはいかがでしょうか。
※画像をクリックすると拡大します。
・金王八幡宮
東京都渋谷区渋谷3-5-12
TEL.03-3407-1811