発売日:2011年11月25日
定価(税込):620円
文庫判
■The MYTHS
■話題の新刊書籍
激しい求愛の果て、イザナキとイザナミは二つに引き裂かれた――。物語の鬼神が描く、血と贖いのスペクタクルロマン
愛と裏切りの日本神話-The Goddess Chronicle-
桐野夏生(新・世界の神話シリーズ 日本代表)
遙か南、海蛇の島の大巫女の家系に、二人の姉妹が生まれた。 姉・カミクゥは生まれながらに、大巫女を継ぐことが運命づけられていたが、妹・ナミマには、別の運命があった。 ナミマが16歳になった年、祖母で大巫女のミクラが亡くなった。 葬儀の祭祀はカミクゥが司ったが、その晩、ナミマに怖ろしい運命が告げられる。 島を抜け出し、海上で出産をしたナミマは、16歳で死んだ。
地底で目覚めたナミマの前に現れたのは、1日に千人の死者を選ぶ、黄泉の国の女神イザナミだった。
イザナミは、夫イザナキによって、黄泉の国に閉じ込められ、死の支配者となっていたのだ。
陰と陽、二つに引き裂かれた運命は、ふたたび巡り逢うのか!? 強烈なキャラクターと豊かなストーリーテリング、人間と神の対立を交えて描く、愛と裏切りのスペクタクル!! |
桐野夏生(きりの なつお)
1951年金沢生まれ。成蹊大学卒。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞を受賞。08年、『東京島』で谷崎潤一郎賞。04年、英訳版『OUT』で日本人初のエドガー賞候補となる。
【古事記のなかのイザナキ・イザナミ】
|
イザナキ・イザナミの男女二神は、天上の神々の命令で、天の浮き橋に断って、天の沼矛を地上にさしおろしオノゴロ島を作った。ここに下りて二人は結婚の聖なる寝殿を建てた。
寝殿で二神は交わり、島と神を生んだが、火神の出産でイザナミは死んだ。イザナキは黄泉の国まで追いかけ、イザナミを連れ帰ろうとする。
「もう黄泉の国の食事をしたので戻れません、しかし神と相談します。その間けして私の姿を見てはなりません」
しかし、あまりに長く待たされたイザナキは、御殿の内に入り、無数の蛆がたかるイザナミの腐乱死体を見てしまう。あまりの恐ろしさに逃げ出したイザナキをイザナミは追ってきた。そこでイザナキは巨大な岩石で黄泉比良坂をふさぎ、夫婦離別の言葉を交わした。
イザナミが、「あなたがこんなしうちをするのなら、あなたの国の人間を一日に千人殺してやりましょう」というと、
イザナキは、「最愛の妻よ、私は一日に千五百もの産室を建ててやろう」と言い返した。
|
※本書は、「新・世界の神話シリーズ」の一冊です。世界20カ国で翻訳・発売を予定されています。
【関連書籍】
 |
『 古事記 -ビギナーズ・クラシックス- 』
神代から推古天皇の時代まで。身近な古典、ビギナーズ・クラシックス完結!
ビギナーズ・クラシックス全10巻の完結編。神々の時代から推古天皇までの時代を雄大に語るわが国最古の書を、こなれた現代語訳と原文で楽しむ本。参考情報やビジュアルも豊富。現代語訳と原文は総ルビ付きで朗読にも最適。
|
|
「新・世界の神話シリーズ (THE MYTHS)」 http://www.kadokawa.co.jp/sp/200510-03/index.php
「世界中の作家が、世界の神話を現代に蘇らせるんだ。僕たちがいま読んでいる小説も、ずっともとをたどれば神話にたどり着くんだ。」 (ジェイミー・ビング/「新・世界の神話」シリーズ発案者)
「想像力が愛を育む。新しい神話の創造は、その意味で有益である。神話は、人間の想像力が結晶した物語の母なのだから。」(桐野夏生/「新・世界の神話シリーズ」日本代表)
1999年春、ロンドン出版界の風雲児、ジェイミー・ビングはある壮大なアイデアを思いつく。それは、あらゆる物語の原型である神話を世界トップクラスの作家たちが、今の視点をもって新たに語り直し、それを世界同時刊行するという途方もないプロジェクト。33カ国が参加し、シリーズ100番目の神話は2038年に刊行予定。
〈参加国〉
|
アイスランド、アメリカ、イギリス、イスラエル、イタリア、インド、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、クロアチア共和国、スウェーデン、スペイン、スロバキア共和国、スロベニア共和国、セルビア共和国、台湾、チェコ共和国、中国、デンマーク、ドイツ、日本、ノルウェイ、フィンランド、フランス、ブラジル、ブルガリア、ポーランド、ラトビア共和国、ロシア (2008年現在、34社32カ国が参加) |
〈33カ国共同プロジェクト「新・世界の神話シリーズ」角川書店より刊行中〉
|
■「神話がわたしたちに語ること」(2005年11月刊行)カレン・アームストロング(イギリス)
■「ペネロピアド」(2005年11月刊行)マーガレット・アトウッド(カナダ):オデュッセウスの妻、ギリシア神話
■「永遠を背負う男」(2005年11月刊行)ジャネット・ウィンターソン(イギリス):アトラス、ギリシア神話
■「恐怖の兜」(2006年11月刊行)ヴィクトル・ペレーヴィン(ロシア):ミノタウロス、ギリシア神話
■「ライオンの蜂蜜」(2006年7月刊行)デイヴィッド・グロスマン(イスラエル):サムソン、聖書
■「碧奴−涙の女」(2008年3月刊行)蘇童(中国) |
|
 |
『 野性時代2009年1月号 』
「女神記」刊行記念 特集 桐野夏生
特別対談 with 筒井康隆 作秘話・著者が明かす「女神記」がはばたくまで
|