著:パウロ・コエーリョ 訳:武田千香
4月23日発売 価格1,800円(税別) 四六判 仮フランス製

内容紹介

「どうしたら真の自分でいる勇気を持てるのだろう。
自分がまだ何者かも分からないのに――」

『ポルトベーロの魔女』は、アテナという名の女性が、自らの存在意義と人生の目的を見つけ出すまでを、スピリチュアルに、官能的に、そして感動的に綴った物語である。
トランシルバニア(ルーマニア中央部)でジプシーの孤児だったアテナは、裕福なレバノンの夫婦に引き取られる。彼女は自分の中に潜む特別な力の存在に気付き、その才能は解き放たれる事を求めていた。
ベイルートとロンドンで信仰深く育ったアテナは、幼いうちから予言的なヴィジョンを見るようになる。成長した彼女は若くして結婚し子どもをもうけるものの離婚。ロンドンの銀行で働き、その後ドバイで不動産を売り、実の母を探しだし、彼女の才能をコントロールするすべを教えてくれる人物を見つけ、やがてポルトベーロで霊視を行い、大衆を熱狂させることとなる――。
深淵でパワフルな本著は、アテナの周辺の人々の証言をもとに彼女の人生の再構成を試みることによって、〈どうしたら真の自分でいる勇気を持てるのだろう。自分がまだ何者かも分からないのに〉という根源的な疑問を問いかけながら、“喜び・情熱・犠牲・愛”の本当の姿を明らかにしていく。

このアテナ、“ポルトベーロの魔女”は、一体何者なのか―。

彼女のメッセージは何なのか。彼女を知る誰もが疑問を抱いた。おそらくアテナ自身でさえも。そこで、或るジャーナリストが様々な証言をもとに、アテナという人物の真の姿に迫るべく、彼女の半生の再構成を試みた。
数々の親しい人々――義母や元夫、ジャーナリスト、彼女の導師、ダンスのインストラクター、生徒といった人たち――による証言が、彼女の謎めいた半生を浮かび上がらせる。

スコットランド人の医師デイダー・オニール、通称エッダ(37歳)は、アテナのメストリ(=師)たる人物。「彼女の大きな問題は、二十二世紀の女性でありながら、二十一世紀に生きてしまったこと―そして、それをみんなに示してしまったことね。え?そのつけが回ってきた?そのとおり。だけど、もしその溢れんばかりの彼女のエネルギーを抑制していたら、もっと高くついたはず。悶々とフラストレーションをため、常に“他人がどう考えるか”ばかりを気にし、“まずはこの問題を片づけなきゃ、夢を追いかけるのはその後”となって、常に“いつまで経っても理想的な状態が来ない”と文句を言い続けたと思う」

BBCで吸血鬼のドキュメンタリー番組を製作していたジャーナリストのヘロン・リャン(40歳)は、トランシルバニアでアテナに出会い、一目惚れした。「毎日寝起きするたびつくづく確信します。アテナは、この世の地獄に落ちる前に、この世を去って正解だった。あんな催しで“ポルトベーロの魔女”に仕立て上げられてしまった以上は永遠に精神的安らぎを取り戻せなかったはずですから。たとえそのまま生きていても、個人的な夢と集団的な現実の辛い衝突に終始することになったでしょう。ああいう性格ですから、きっと最後まで闘い続け、持ち前の明るさやエネルギーを、だれ一人、そう、まさにだれ一人信じようとしない何かを証明するために使い尽くすことになったでしょう」

劇団女優のアンドレア・マッケイン(32歳)は、人々の感情を操ったとしてアテナを非難する。「彼女があんな最期を遂げてもぜんぜん驚かない。だって彼女は常に危険を弄んでいたもの。外向的な人間は、内向的な人間より不幸だってよく言われるけれど、結局それだけいつも自分は満足していると装う必要がある、人生楽しくうまく行っているって見せかけなくてはならないのね。で、少なくとも彼女の場合は、まさにそうだったんだと思う。アテナは自分にカリスマ性があることを知っていて、それで彼女を愛したすべての人を苦しめさせた。私もその一人」 ・・・・・・


悪女なのか犠牲者なのか、詐欺師なのか伝道者なのか、実在の女性なのか空想の存在なのか。
アテナの人生と存在は、あるときは複雑怪奇、またあるときは驚くほどシンプルだ――。

「ベストセラー作家コエーリョの最新作は、
哲学と奇蹟と寓話が神秘的な融合を遂げた傑作だ」
――パブリッシャーズ・ウィークリー

150ヶ国64言語で累計9,200万部もの売り上げを記録。「ニューズウィーク」誌はパウロ・コエーリョを世界で5番目のベストセラー作家と呼び、「ザ・タイムズ」誌(ロンドン)は後に彼を「ジョン・グリシャムに次いで世界で二番目のベストセラー作家である」との記事を掲載した。彼の小説『アルケミスト』は、ビル・クリントン、マドンナ、ジュリア・ロバーツ、ラッセル・クロウ、ウィル・スミス、ウンベルト・エーコといった著名人の愛読書として知られ、現在ローレンス・フィッシュバーン(「マトリクス」)の手で映画化が進


著者紹介

パウロ・コエーリョ(PAULO COELHO)

1947年ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。世界中を旅した後に音楽とジャーナリズムの世界に入る。87年、初の著書『 星の巡礼 』(角川文庫)を発表して注目を集め、88年に刊行した『 アルケミスト 』(角川文庫)が世界中で大ベストセラーとなる。現在は世界を旅しながら、精力的に執筆活動を続けている。

「私はよく、『魔女を信じますか』と尋ねられますが、そんなときはいつもこう答えます。『信じます』と。不幸なことに、『魔女』という単語には依然として多くの偏見が含まれています。私にとって魔女とは、直観に従って行動することができ、周囲の状況と心を通わせ、困難に立ち向かうことを恐れない女性のことです。私はこの作品で、まさに現代の魔女たちが直面している偏見について語っているのです」 …パウロ・コエーリョ

武田千春(訳)
東京外国語大学教員。ブラジル文学専攻。主な訳書にJ・アマード『果てなき大地』(新潮社)、シコ・ブアルキ『ブダペスト』(白水社)、著書に『ブラジルのポルトガル語入門』(三省堂)、編書に『現代ポルトガル語辞典』(白水社)など。


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