転校生 −さよなら あなた−
映画「転校生」公式サイト



 原作
角川文庫「おれがあいつで あいつがおれで」
著者:山中恒
斎藤一夫は小学六年生。ある日クラスに転校してきた斎藤一美という女の子は、幼稚園の幼なじみのやっかいな子。ひょんなことからある日、一夫の体に一美の心が、一美の体に一夫の心が入ってしまって戻らなくなった!
著者紹介:山中恒
1931年北海道生まれ。早稲田大学在学中、早大童話会に所属し、児童文学の創作を始める。「赤毛のポチ」(60年)で日本児童文学者協会新人賞を受賞し、児童よみもの作家として本格的にデビュー。その後、「とべたら本こ」「ぼくがぼくであること」などを発表。80年代以降は、「おれがあいつであいつがおれで」(映画『転校生』)「なんだかへんて子」(映画『さびしんぼう』)「はるかノスタルジィ」(映画『はるか、ノスタルジィ』)「とんでろじいちゃん」(映画『あの、夏の日とんでろじいちゃん』)など大林監督の映画に原作を提供した作品を執筆。
 コミックス
転校生 さよならあなた
著者:三国桃子
原作:転校生製作委員会
2007年06月23日発売
尾道から転校してきた一夫と、老舗蕎麦屋の娘・一美は、ある事件がきっかけで身体が入れ替わってしまう。身体の違いを痛感し、戸惑いを感じる二人に巻き起こる、おかしくも切ない青春ファンタジー
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 フォトブック
フォトストーリー 蓮佛美沙子 feat.映画
「転校生 さよならあなた」

撮:川田洋司
2007年06月発売予定
大林宣彦監督作「転校生 さよならあなた」で初主演を飾る蓮佛美沙子が、女優として成長していく過程を追い続けたドキュメント。日本映画界が大きな期待を寄せる、本格派若手女優の最初の一歩!

 蓮佛(れんぶつ)美沙子とは…
映画界に期待のヒロイン誕生! 誰もが心奪われる“蓮佛美沙子”という輝き
主役は、05年、角川映画とソニーミュージックが共同で実施したヒロイン・オーディション「MISS PHOENIX」において応募総数37,749名の中からグランプリに選ばれた新人女優!
今回、初主演にしていきなり男性役(?)という難役を見事に演じています。数々の映画ヒロインを育てた大林監督も、その輝きに“10年に一人”と絶賛し惚れ込んだほど。清楚な存在感にして力強い演技、そして劇中で演じるピアノ演奏と歌唱は必見の名シーン!
1991年鳥取県生まれ。2005年、角川映画、ソニーミュージック、Yahoo!JAPANが合同で実施したスーパーヒロイン・オーディション「ミス・フェニックス」において、演技審査と歌唱審査により応募総数37,749名の中からグランプリに選ばれる。当時から既にその演技力は絶賛されており、『犬神家の一族』(市川崑監督/07)で映画初出演、『バッテリー』(滝田洋二郎監督/07)で初ヒロインと、着実に進歩する期待の新人女優。
蓮佛美沙子さんのWEBブログ更新中!
・映画「バッテリー」公式サイト
・文庫「バッテリー」角川書店公式サイト
蓮佛美沙子
 コラム 【ミス・フェニックスの競演】
「セーラー服と機関銃」「時をかける少女」「野性の証明」「里見八犬伝」「スローなブギにしてくれ」「ぼくらの七日間戦争」…日本映画史上に一時代を築いた作品群により、角川映画は薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子、浅野温子ら、時代を象徴するヒロインを生み出してきた。そして05年、角川映画ヒロイン復権をかけて、角川映画とソニーミュージックは共同でヒロイン・オーディション「ミス・フェニックス」を開催し、6名の女優が選ばれた。
『転校生 さよならあなた』には、グランプリ受賞の蓮佛美沙子をはじめ、準グランプリの関戸優希、審査員特別賞の高木古都が出演しており、まさにミス・フェニックスが大きく飛び立つきっかけとなる作品に違いない。

映画「転校生 −さよなら あなた−」
 ストーリー
両親の離婚を機に、尾道から母とともにかつて幼少期を過ごした信州に転校してきた斉藤一夫。手にする携帯電話には、父からもらった小さなピアノのストラップが付いている。尾道に恋人のアケミを残し、元気を失っていた一夫だったが、転校してきた善光寺北中学校で幼なじみの一美と再会する。 「大きくなったらあんたのお嫁さんになるって、キスしてあげたじゃない」。 幼少期のふたりの思い出を明け透けなく話す一美に対し、戸惑い、恥じらう一夫。
一美には、山本弘という恋人がいる。彼は一美に一冊の本を手渡しながら話す。 「キェルケゴールの『死に至る病』。一美くんは時々、ふっと自分の空想の物語の中へ入ってしまう癖がある。君にはこの本を貸してあげよう。世界と神、現実と理想、信と知との絶対的対立のうちに、人生の深い意味が見られるのだ」。 弘のその気障りな態度にむっとくる一夫だが、一美とは会話を重ねるうち、昔の勘を取り戻すかのように、自然と呼吸が合ってくる。
一美の自宅は古くから蕎麦屋を営んでいる。両親と祖父、そして年の離れた姪が一緒に暮らしている賑やかな日本の家族だ。兄がひとりいるが今は東京に離れて住んでいる。その日一美は一夫を自宅に招く。昔話の流れでふたりは、思い出の場所である“さびしらの水場”へと足を運ぶ。 「一夫ちゃん、美味しいのよ、ここの水。だからうちの蕎麦も美味しいの」。 柄杓でその水を掬おうとした瞬間、ふたりは誤って水の中へ身を落とす。急いで這い上がった二人だが、やっと気がついたとき、一美は一夫へ、一夫は一美へとその身体が入れ替わっていたのだ。 (以下、肉体が一美で心が一夫を“カズオ”、肉体が一夫で心が一美を“カズミ”とする。)
当然、カズオは一夫の自宅へ、カズミは一美の自宅へと帰るのだが、入れ替わったことを知らない家族は大慌て。いてもたってもいられず二人は家を出る。泣きじゃくるカズミにカズオは、 「とにかく、今日のところはだ、俺がお前をやって、お前が俺をやるしかねえよ。歩こう。俺たちもう子供じゃねえんだ。ともかく、この夢だか現実だかを、ちゃんと考えてみよう」。
習慣も好みも違う。家族や恋人、学校の友人など、互いの環境は全く違うふたりだが、入れ替わって戸惑いながらも協力しあい、それぞれの生活を始める。 「人間って、変なものね、どんなことになっても、ちゃんとお腹空くし、何かやってる」。
互いに気づいてはいないが、二人の間には何か温かいものが生まれ始めている。 やがて、二人の妙な振る舞いが事件を生み、カズオの身体に異変が生じ始める。
監督:大林宣彦
蓮佛美沙子(新人) 森田直幸
清水美砂・厚木拓郎・寺島咲・石田ひかり・田口トモロヲ・斉藤健一・窪塚俊介
原舞歌 関戸優希 高木古都 根岸季衣 中原丈雄 細山田隆人
高橋かおり 勝野雅奈恵 小形雄二 林優枝 吉行由実 小林かおり
宍戸錠・山田辰夫・入江若葉・小林桂樹(写真)・犬塚弘・古手川祐子・長門裕之
製作:黒井和男/プロデューサー:鍋島壽夫(角川映画) 大林恭子(PSC)
原作:山中恒「おれがあいつで あいつがおれで」(角川文庫刊)
脚本ベーシック・プラン:大林千茱萸 山内健嗣/脚本:剣持亘 内藤忠司 石森史郎 南柱根 大林宣彦
潤色・撮影台本・編集:大林宣彦/音楽:山下康介 學草太郎
主題歌:寺尾紗穂「さよならの歌」(MIDI)
撮影監督:加藤雄大/美術:竹内公一/照明:西表灯光/録音:内田誠/助監督:南柱根
制作担当:小野山哲史/音楽プロデューサー:加藤明代 大林千茱萸
製作:角川映画 日本映画ファンド/製作協力:PSC
配給:角川映画
07年/アメリカンビスタサイズ/DTSサウンド/カラー/120分

 蓮佛美沙子という少女との出会い。 大林宣彦
映画は、人との出会いから生まれる。
蓮佛美沙子という少女とこの時期出会わなければ、今回の《転校生》は誕生し得なかっただろう。
人と人との関係は、初体面から始まる。言葉の確りした娘だった。背筋がぴんと伸びていた。いわゆるアイドル風ではなく、一人の若い人間としての聡明さに充ち溢れていた。ぼくの映画の主人公には、それで充分である。お負けに前作の小林聡美がおもいっきり夏の少女であったのに対し、美沙子はしっとりした山の里娘の風情を湛えていたのは幸福だった。折からぼくの下から育った呉美保監督の処女作で主演した森田直幸君に、その作品『酒井家のしあわせ』で出会い、ぼくの映画でデビューして即に二、三作の主演作を持つ若手の厚木拓郎、寺島咲が共演してくれた。こうして理想の“四人組”が誕生し得たのである。
前作が「さよならおれ、さよならわたし」、で終ったのに対し、今回はきっちり「さよならあなた」、で終らせよう、それによって遥かなる五十年先にくっきり“約束”の像を結ぼう、と決めた夜、寺尾紗穂さんの「さよならの歌」と出合う。一つの運命として、美沙子はこの歌をピアノで弾き、自ら歌うこととなる。その成果は映画の中で見てやって下さい。この難曲を美沙子はクランクイン直前から、ロケ中の宿の部屋でまで猛練習、劇中のピアノ少年役森田君の先生ともなり、森田自身も弾き熟せるようになったのだから、若い人の才能と努力は素晴らしい。
撮影中、ヴェテランたちの一所懸命を目の当たりにして暮らした美沙子たちは、自らもそれに一心に応えようとしたのだという。若い人が大人に憧れ、大人が若者たちを信頼する、―こういう日日が持続すれば、五十年後もきっと子供たちは元気に暮らしているだろう。
オリンピックバブルが弾けた後の、今回ぼくらは長野の裏露地ばかりを撮影していたのだが、そこには間違いなくこの里に昔から温められてきた、賢い人の暮らしが活き続けていた。それを残し、守り、活かし、伝えていけば、未来の日本は、きっときっと再び、昔の元気と美しさを取り戻してくれるだろう。
ぼくは後二十五年生きて、もう一度《 転校生 》を作ろう。その時は今よりもっともっと穏やかな日日のなかで、《 転校生〜こんにちはあなた 》となるのかしらん。……
 大林宣彦 監督
1938年広島県生まれ。幼少時、自宅の納戸で映画の上映装置と出合い、映画作りを玩具として成長。個人映画作家として劇場用映画とも交わりながら、現在に至る。自身の古里・尾道を中心に、高度経済成長の時代に背を向けて「古里守り映画」を撮り続け、インディーズと娯楽映画との接点を弄る。著作、講演活動と共に、三つの大学での教授を務め、若い映画学徒に未来を託す。製作者である妻恭子、娘千茱萸と共に映画一家。数々の映画賞の他に2004年春の紫綬褒章受章。

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