再婚生活 山本文緒

夫婦という葛藤。涙する心と孤独の病、鬱。あまりに小説的な魂の記録、著者3年の沈黙を破る告白日記。

書籍

再婚生活 書籍

発売日:5月31日
定価:1,470円(税込)

文庫

再婚生活 文庫

発売日:2009年10月24日
定価(税込):予)525円


ゆるやかに再生する、鬱に病んだ心。夫婦が家族になってゆく月日――。歴史に残る傑作日記文学の登場!

仕事で賞をもらい、山手線の円の中にマンションを買い、
再婚までした。
すべてを手に入れたかに思えた時、重度の抑鬱状態に陥った。
望んだ再婚生活なのに、心と身体がついてゆかない。
家族や友人、仕事のはざまで苦しみ抜いた日々。
病んだ心が緩やかに再生してゆく山本自らの体験を描き、
雑誌「野性時代」連載時から大反響の日記が、
いよいよ書籍化!


◎日記の一部◎
…午後、新しく処方された白くて小さくてニクいヤツを服用してみる…

9月 6日 …ほんの少しの起きている時間で、パン一枚だけ食べて、書かなくちゃならない原稿だけ死ぬ思いで書いて、猫の世話だけはなんとかやって、あとはとにかく臥せっているしかありませんでした。…

9月15日 …恵まれすぎだというふうなことを言われて「そうか、人にはそう見えるんだろうな。実際そうだしな」とは私も思った。…

12月23日 …食事にも気をつけるよ。お酒もほどほどにするよ。できたら煙草もやめるよ。今のんでる薬も減らすように頑張るよ。ほんとにごめんよ、私の体。…

2月18日 …健常者とうつ病患者の間に流れる、深い沈黙。前者は呆れ、後者は混乱。不安時の薬をもらってバクバクしたまま眠った。…

1月18日 …元気になってきたら、文章が書きたくなっていました。…

8月8日 …仕事上のいろいろなストレスや引っ越しや再婚で、感情のバランスが狂ったのだと思っていたけれど、そうじゃなかったと最近しみじみ思う。だいたいその「外から攻撃された」という被害者意識がまずいけなかった。…



※本作品は、「野性時代」(角川書店)にて、2003年12月号より、一時休載を経て、2007年2月号まで掲載したものです。

山本文緒(やまもと・ふみお)

著者プロフィール 山本文緒(やまもと・ふみお)

1962年11月13日横浜生まれ。神奈川大学卒業後、OL生活を経て、87年「プレミアム・プールの日々」でコバルト・ノベル大賞、佳作受賞。92年、少女小説から一般文芸に移行。99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞、 2001年「プラナリア」で第124回直木賞受賞。
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