電車屋赤城 山田深夜
全ての“鉄”へ捧げるブルース プロでなければここまで描けなかった元鉄道職員の著者、初の本格長編小説!!
旧型車両1000形。モーターに流れる電流を抵抗で制御する、原始的でダイナミック機構。鉄と鉄とが噛み合い、擦れ、火花を散らす。部品はいちいち重量で、調整にも熟練した腕が必要だ。しかし、気概ある整備にはちゃんと答えた。その電車には誇りが、夢が、そして人生があった――。
神奈川県を川崎から三浦三崎へ向けて走る私鉄、神奈川電鉄。
その「神奈電」の車両整備を受け持つ神奈川電鉄横須賀工場、
通称「スカコウ」を舞台に繰り広げられる、仕事に誇りと意地を抱き、
電車に人生のすべてをかけた、不器用で一本気な男達の愚直な生き様を
真っ正面から描く感動長編。
がんばれ1000形!こんな僕にも、生きる意味はあるんでしょうか…。
引きこもりの青年が出会った、武骨な電車整備士。消えゆく旧型車両と運命をともにしようとする男の背中を通して、仕事への愛と誇りを描き切る感動長編!
<ストーリー>
田宮純一(20歳)は引きこもりを克服すべく、伯父・三郎の経営する「スカコウ」の下請け会社エース工業でアルバイトを始めた。その純一の前に現れたのは、無口で無愛想で敵の多い赤城(40代半ば)、仕事に厳しい佐島(40代)、赤城の唯一の理解者である元マグロ漁船の漁師原口(50代)ら、一筋縄ではいかない個性的な面々だった。それぞれ色んな過去を背負った男達に触れるうちに、純一は少しずつ自分の殻を剥がしていく。折しも、神奈電は旧型車両1000型を廃止し、新型の3000型の導入を目指して旧型の整備に特化していたスカコウの古株をどんどん解雇していく。そんな中、地震のため大規模な脱線事故が発生した…。

■山田深夜(やまだ・しんや)
1961年福島県須賀川市生まれ。地元の高校を卒業後、神奈川県横須賀市で私鉄職員として約20年勤務。1999年7月、文筆業に専念するために退職。同年エッセイ集「キャベツのはらわた」を発刊(アートジャングル)。椎名誠氏に「ワシの初期に似ている」とほめられる。バイク雑誌各誌に小説を発表。著書に『千マイルブルース』、「本の雑誌」2005年上半期ベスト10に選ばれた『横須賀Dブルース』(ともに寿郎社)がある。また、ブルースハープのアカペラにこだわり、定期的な演奏活動も行っている。「物書き」と「ミュージシャン」どちらにも見られない風貌をもち、どちらからもゼニは得られないが、どちらもゼニでは買えない、と思うようにして、今日もチャルメラを鍋で食う。旅にも出るが、あまり長くなると横須賀はドブ板通りが恋しくなってしまう。
★山田深夜オフィシャルサイト[あん時ゃ夜走り朝帰り]http://www5a.biglobe.ne.jp/~shinyago/
