ネット経済を舞台にした、現代版三国志
ユグドラジルの覇者/桂木希 第26回横溝正史ミステリ大賞 大賞受賞
エンタテイメントの3大要素を満たした、傑作!

「大風呂敷の広げ方が、とにかくまず巧い。」(綾辻行人氏)
「何かが起こっている、そしてそれはどうなっていくのか、という興味を最後まで持続させる筆力」(大沢在昌氏)

「下手に書けば一般読者に苦痛を与えかねない専門分野の記述も、
きちんと咀嚼されて小説に組み込まれ、有効に機能している」(綾辻行人氏)
「私自身は<インターネット取引>などという言葉を聞いても、まったくわけが分からない。
にもかかわらず、物語を楽しむことが出来た。」(北村薫氏)

「キャラクターの立て方も堂に入っている」(綾辻行人氏)
「欧州金融市場の女帝ハンナの描写は秀逸で、彼女の造形ひとつで、受賞作に相応しい力量」(大沢在昌氏)

内容
世界はかつてない急激な勢いで、インターネット経済になだれ込もうとしていた。G8での宣言を機に、各国が協調し、世界経済の全てがネット上に移植されることになる。この新たなシステムによって、世界経済は光速で回転を始める。取引は全てミリセカンド、一秒を失ったが故に、全てを失う刹那の世界。どんな無法もまかり通る無秩序の荒野では、従来の経済常識は通用せず、新たな発想と戦略の有無が雌雄を決する。ネット環境の整わない途上国は凄まじい勢いで取り残されてゆくことになり、逆に、これを制すれば、世界経済の覇者として躍り出る大きなチャンスでもある。まさに、群雄割拠の戦国時代の火ぶたが切って落とされようとしていた。
この急速なシステムの変化を影で操るのは、中世から連綿と続く欧州貴族が隠然と支配する、某財閥ネットワーク。彼らは、急成長を遂げた米最大IT企業トップのブライアン・フォッシーと手を組んで、巨大ネットバンクを構築し、世界中の資本を寡占するという、完全な世界経済支配を目論んでいた。対して、このネットバンクの簒奪を狙うのが、世界を流浪する一日本人、矢野健介と、覆面トレーダー“ラタトスク”の二人組。アジア、欧州の経済界の大物たちー華僑の若き総帥・趙文濤、娼街育ちという特異な経歴を持つEUの女帝ハンナ・ベルカンツなど、一癖もふた癖もある強者らの参戦をうながし、欧州・アジア・アメリカの三つ巴の戦局の中、熾烈な攻防は最終局面へと突き進んでゆく??。
世界経済の支配権は誰が握るのか。“ラタトスク”とは何者なのか。世界規模のネットコンゲームの行方は!? まさに未曾有のスケールで選考委員を驚嘆させた、超弩級の国際経済謀略小説。

※ユグドラジルとは? 北欧神話に登場する樹の名前。世界の中心であり、全てを支える世界樹のこと。

著者紹介/リンク
1961年高知県生まれ。
大阪工業大学経営工学科卒。
兵庫県神戸市在住。
現在、コンピュータ・プログラマとして活躍

オブリビオン/大石直紀

横溝正史ミステリ大賞 応募要項