雪つもりし朝 二・二六の人々

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2017年02月04日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
288
ISBN:
9784041052129

雪つもりし朝 二・二六の人々

  • 著者 植松 三十里
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2017年02月04日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
288
ISBN:
9784041052129

この二・二六事件が、日本の平和に関わった彼らの「その後」につながった…

作家である「私」は、国立新美術館を訪れた。そこで不思議な軍服姿の男を見かけたのだが、その姿はかき消えてしまう。「私」は、美術館の建物が、一九三六年に起こった、大きな歴史上のクーデター事件である「二・二六事件」ゆかりであることに思いを馳せる。

 帝都叛乱の二月二十六日、彼らはそれぞれの夜を過ごしていた……。当時の首相だった岡田啓介、侍従長だった鈴木貫太郎と妻のタカ、昭和天皇の実弟・秩父宮、吉田茂の娘であり湯河原で襲撃を受けた麻生和子、陸軍の歩兵として反乱軍と同じ部隊にいた本多猪四郎。五人それぞれの二・二六事件。
 日本の平和に関わった彼らの「その後」は、この「二・二六事件」につながっている。史実を題材にした連作短編集。

「身代わり」  義弟が身代わりになり命を落とした首相・岡田啓介は、やがて第二次大戦の終戦に尽力した。
「とどめ」  襲撃された鈴木貫太郎へのとどめを制止したのは、妻のタカだった。彼は終戦内閣の総理となる。
「夜汽車」  叛乱を起こした青年将校らが要と仰いだ秩父宮は、事件直後に弘前から夜汽車で上京した。
「富士山」  襲撃を受けながらも祖父を守った麻生和子は、父・吉田茂の講和条約を助ける存在に。
「逆襲」  何もわからず反乱軍と同じ部隊にいた本多猪四郎は、長い出兵を経て、「ゴジラ」の監督になった。

 やがて戦争に突き進む一九三六年に起こった事件は、現代日本の舵取りについても大きな示唆に富む内容を訴えかけてくる。今の時代だからこその小説がここにある。
作家である「私」は、国立新美術館を訪れた。そこで不思議な軍服姿の男を見かけたのだが、その姿はかき消えてしまう。「私」は、美術館の建物が、一九三六年に起こった、大きな歴史上のクーデター事件である「二・二六事件」ゆかりであることに思いを馳せる。

 帝都叛乱の二月二十六日、彼らはそれぞれの夜を過ごしていた……。当時の首相だった岡田啓介、侍従長だった鈴木貫太郎と妻のタカ、昭和天皇の実弟・秩父宮、吉田茂の娘であり湯河原で襲撃を受けた麻生和子、陸軍の歩兵として反乱軍と同じ部隊にいた本多猪四郎。五人それぞれの二・二六事件。
 日本の平和に関わった彼らの「その後」は、この「二・二六事件」につながっている。史実を題材にした連作短編集。

「身代わり」  義弟が身代わりになり命を落とした首相・岡田啓介は、やがて第二次大戦の終戦に尽力した。
「とどめ」  襲撃された鈴木貫太郎へのとどめを制止したのは、妻のタカだった。彼は終戦内閣の総理となる。
「夜汽車」  叛乱を起こした青年将校らが要と仰いだ秩父宮は、事件直後に弘前から夜汽車で上京した。
「富士山」  襲撃を受けながらも祖父を守った麻生和子は、父・吉田茂の講和条約を助ける存在に。
「逆襲」  何もわからず反乱軍と同じ部隊にいた本多猪四郎は、長い出兵を経て、「ゴジラ」の監督になった。

 やがて戦争に突き進む一九三六年に起こった事件は、現代日本の舵取りについても大きな示唆に富む内容を訴えかけてくる。今の時代だからこその小説がここにある。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「雪つもりし朝 二・二六の人々」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 今、日本の政治がこの様な時に、この作品を読むとは。二・二六・・学校で習ったはずだが、その裏側の方々の様子・心情など学ぶ訳もなく・・身代わりも、とどめも苦しかった。夜汽車は天皇・天皇家の危ない立場に今も 今、日本の政治がこの様な時に、この作品を読むとは。二・二六・・学校で習ったはずだが、その裏側の方々の様子・心情など学ぶ訳もなく・・身代わりも、とどめも苦しかった。夜汽車は天皇・天皇家の危ない立場に今も私の疑問は残る。「外交とは信頼から始まり、友好をもたらす。不信は対立を生み、その先にあるのが戦争だ」と言う牧野の言葉が重い。結局しわ寄せは末端の者が犠牲になるのだ。数多の命を喪っても上の方々の考えは別のところにある。結章で「戦争が駄目だと伝えるのは、あなたの仕事だ」と言われたあなたは私だ。 …続きを読む
    いつでも母さん
    2017年06月17日
    125人がナイス!しています
  • 昭和維新。二・二六事件。それを主テーマに植松氏が描いた現代に送るメッセージ。僕は植松氏作品二作品目なのだが、なかなかお気に入りなのである。ご自身であまり世の中に知られてない作家と書き下ろしの結章で書か 昭和維新。二・二六事件。それを主テーマに植松氏が描いた現代に送るメッセージ。僕は植松氏作品二作品目なのだが、なかなかお気に入りなのである。ご自身であまり世の中に知られてない作家と書き下ろしの結章で書かれているが。その結章で蜂起した兵に自分は描かされたとする作品。鈴木貫太郎・秩父宮の話は興味深く勉強になる。麻生太郎迄出てくる。平易かつ文章が丁寧で近現代史が苦手な方にもオススメの一冊。 …続きを読む
    あすなろ
    2017年03月03日
    104人がナイス!しています
  • 二・二六事件。あの事件に巻き込まれ、生き延びた人々の視点で語られる。岡田啓介総理大臣・鈴木貫太郎侍従長・秩父宮・麻生和子・本多猪四郎。歴史の苦手な人にも分かりやすく、とても読みやすかったです。私が学生 二・二六事件。あの事件に巻き込まれ、生き延びた人々の視点で語られる。岡田啓介総理大臣・鈴木貫太郎侍従長・秩父宮・麻生和子・本多猪四郎。歴史の苦手な人にも分かりやすく、とても読みやすかったです。私が学生だった頃、石器時代から幕末・明治維新まで丹念な歴史を教わり、近代から昭和史は駆け足授業。こういう読み物で知らなかった昭和を辿れるのはありがたい!サンフランシスコ講和条約締結、終戦前後のこと、とても興味深く読みました。 …続きを読む
    ゆみねこ
    2017年03月10日
    84人がナイス!しています

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