不時着する流星たち

たくらみに満ちた豊穣な世界文学の誕生!

  • 著者 小川 洋子
  • 定価  1620円(本体1500円+税)
  • 発売日:2017年01月28日

たくらみに満ちた豊穣な世界文学の誕生!

盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。

もくじ

第一話 誘拐の女王
第二話 散歩同盟会長への手紙
第三話 カタツムリの結婚式
第四話 臨時実験補助員
第五話 測量
第六話 手違い
第七話 肉詰めピーマンとマットレス
第八話 若草クラブ
第九話 さあ、いい子だ、おいで
第十話 十三人きょうだい

読者モニターレビュー

どの短編も面白く、原作を手に取って読みたい欲求と、そしてどの物語にも小さな輝きと心に残る余韻を感じました。冲方丁さんの「もらい泣き」に似ている物を感じました。あまり知られることなく埋もれていた素晴らしい物語に巡り合わせてくれたことを嬉しく感じました。
――刹那さん

誰かの秘密を少しだけ覗き見るような、何処か不思議な世界に迷い混んだような。この人物は多分こんな人、この音はこんな感じ、きっとこんな香りなんだろうな。と想像しながら読みました。
――うっちぃさん

各モチーフが物語の最後に出てくるので読み終わった後にそれを知り改めて調べたりなどして読み直すと違った醍醐味があった。どの物語も静かで孤独。冬の夜の間の雪のように降り積もって行く物語たちだった。
――苗木さん

著者紹介

小川洋子(おがわ ようこ)

1962年、岡山生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。88年『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。91年、『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞。03年、『博士の愛した数式』がベストセラーになり、翌年、同作で読売文学賞と本屋大賞を受賞。同じ年、『ブラフマンの埋葬』が泉鏡花文学賞、06年、『ミーナの行進』が谷崎賞、12年『ことり』が芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。

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