記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2017年02月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
468
ISBN:
9784041049570
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記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞

  • 著者 門田 隆将
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2017年02月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
468
ISBN:
9784041049570

「震災を、福島を報じなくては――」

2011年3月11日、一人の新聞記者が死んだ。福島民友新聞記者、熊田由貴生、享年24。福島県南相馬市で津波の最前線で取材をしていた熊田記者は、自分の命と引きかえに地元の人間の命を救った。その死は、仲間に衝撃を与えた。それは、ほかの記者たちも同じように津波を撮るべく海に向かい、そして、生命の危機に陥っていたからである。なかには目の前で津波に呑まれる人を救うことができなかった記者もいた。熊田記者の「死」は、生き残った記者たちに哀しみと傷痕を残した。取材の最前線でなぜ記者は、死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。非常用発電機のトラブルで新聞が発行できない崖っ淵に立たされ、さらには放射能汚染で支局も販売店も避難を余儀なくされた福島民友新聞を舞台に繰り広げられた新聞人たちの壮絶な闘い。「命」とは何か、「新聞」とは何か、を問う魂が震えるノンフィクション――。 2011年3月11日、一人の新聞記者が死んだ。福島民友新聞記者、熊田由貴生、享年24。福島県南相馬市で津波の最前線で取材をしていた熊田記者は、自分の命と引きかえに地元の人間の命を救った。その死は、仲間に衝撃を与えた。それは、ほかの記者たちも同じように津波を撮るべく海に向かい、そして、生命の危機に陥っていたからである。なかには目の前で津波に呑まれる人を救うことができなかった記者もいた。熊田記者の「死」は、生き残った記者たちに哀しみと傷痕を残した。取材の最前線でなぜ記者は、死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。非常用発電機のトラブルで新聞が発行できない崖っ淵に立たされ、さらには放射能汚染で支局も販売店も避難を余儀なくされた福島民友新聞を舞台に繰り広げられた新聞人たちの壮絶な闘い。「命」とは何か、「新聞」とは何か、を問う魂が震えるノンフィクション――。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「福島民友新聞」を舞台に繰り広げられた壮絶な執念と葛藤のドラマ

おすすめコメント

ひとりひとりの記者たちの姿に、私は涙を禁じ得なかった。
取材し伝えることの意味が圧倒的な重さをもって迫ってくる。
――櫻井よしこ氏

活写された「紙齢を守る」ための死に物狂いの戦いに息を呑んだ
――田原総一朗氏(ジャーナリスト)

「記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • あの震災から6年が過ぎた。私は震災の日は会津地方の支社に勤務し被害は皆無だった。帰宅しテレビで震災の状況を知り驚愕した。原発の状況が予断を許さない夜半に、普段は鳴らない自宅の固定電話が鳴った。本社から あの震災から6年が過ぎた。私は震災の日は会津地方の支社に勤務し被害は皆無だった。帰宅しテレビで震災の状況を知り驚愕した。原発の状況が予断を許さない夜半に、普段は鳴らない自宅の固定電話が鳴った。本社から支社で待機せよとの指示だった。原発事故は止まらず、世界の終わりを感じた。夏になり私は福島市に異動する。近くには崩れかけた建物が多い。出張で浜通りに行き、津波の話しを聴くと信じられなかった。私は真の意味での震災の被害に遭っていない。しかし原発事故が収束していないと確信をもって言える。未来を信じて生きてゆくのだ。 …続きを読む
    yoshida
    2017年03月12日
    155人がナイス!しています
  • 1枚の写真がある。富岡町「観陽亭」の庭で撮られたものだ。後ろには一面に広がる美しく輝く蒼い海。あの津波により跡形も無く消えてしまうろうそく岩も写っている。わずか2日後には命を落としてしまった者と助かっ 1枚の写真がある。富岡町「観陽亭」の庭で撮られたものだ。後ろには一面に広がる美しく輝く蒼い海。あの津波により跡形も無く消えてしまうろうそく岩も写っている。わずか2日後には命を落としてしまった者と助かったり者の運命はもうこの時点で決まっていたのだろうか?経験したことのない揺れ。海岸近くにいた記者はバキバキと音がしたと思ったら前方から津波が見える。思わずカメラを手にするが助けられた命を見捨てることに。震える手はシャッターを押せなかった。恐怖と対面しても新聞の事を考えるのだ。彼らはヒーローじゃないが戦士だと思う …続きを読む
    キンモクセイ
    2020年03月10日
    52人がナイス!しています
  • あれからもう10年。これが本当にあったことだと思うことが怖くて目を逸らしていた現実にやっと向き合ってみる。その私の軟弱さ一点をとってみても、今この瞬間の現実をなんとか記録して届けたいという一心で過酷な現 あれからもう10年。これが本当にあったことだと思うことが怖くて目を逸らしていた現実にやっと向き合ってみる。その私の軟弱さ一点をとってみても、今この瞬間の現実をなんとか記録して届けたいという一心で過酷な現場に向かう記者の方々は尊い、と思いました。震災の時、被災地ど真ん中にあった福島民友の人々は何を考えどう行動したのか、一人の記者の死がどんな意味を持ったのか、緻密な取材に基づきつつ、細かな事実に加え、当時の個々の感情まで掬い上げる文章が巧みで、数ページ読むたびに、考えさせられて、読みやすいのに一気に読めない。 …続きを読む
    kana
    2021年04月04日
    39人がナイス!しています

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著者紹介

写真:門田 隆将(かどた・りゅうしょう)

門田 隆将(かどた・りゅうしょう)

1958年(昭和33年)、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション 作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫) で第19回山本七平賞受賞。
主な著書に『甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』(講談社文庫)、『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮文庫)、『太平洋戦争 最後の証言』(第一部~第三部・小学館)、『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)などがある。

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