光炎の人[下]

光炎の人[下]

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2016年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
384
ISBN:
9784041041949

光炎の人[下]

  • 著者 木内 昇
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2016年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
384
ISBN:
9784041041949

技術の暴走を加速させているのは誰だ!? 技術の光と闇を問う問題作!

大阪の工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も為し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる音三郎の焦り。新たな可能性を求めて東京へ移った彼は、無線機開発の分野でめきめきと頭角をあらわしていく。そんなある日、かつてのライバルの成功を耳にしてしまい――!?
大阪の工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も為し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる音三郎の焦り。新たな可能性を求めて東京へ移った彼は、無線機開発の分野でめきめきと頭角をあらわしていく。そんなある日、かつてのライバルの成功を耳にしてしまい――!?

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

おすすめコメント

人の生んだ技術が、人を照らし、人を呑み込んでいく現代に問いかける大作。
――中江有里氏(女優・作家)

電気技術に魅せられた一人の技師の光と闇を描く重厚な作品。スリリングな展開で一気に読んでしまいました。
――山本博文氏(東京大学史料編纂所教授)

「光炎の人[下]」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • わたしが苦手とする日本の近代史、さらにちんぷんかんぷんな電気の仕組みを、補って余りある見事な作品であった。電気「もの狂い」の音三郎は、読む者に一切の感情移入を許さない。彼はそんなレベルには居ないからだ わたしが苦手とする日本の近代史、さらにちんぷんかんぷんな電気の仕組みを、補って余りある見事な作品であった。電気「もの狂い」の音三郎は、読む者に一切の感情移入を許さない。彼はそんなレベルには居ないからだ。(正直わたしには、元カノのおタツへの仕打ちはしんどかった)。独特の流れるような美しい文章で、彼の人生を書き尽くした。門外漢のはずの木内さんが、敢えて電気を描こうとした気概に惚れた。改めて彼女の作家としての引き出しの多さを思う。 …続きを読む
    ミカママ
    2020年07月12日
    490人がナイス!しています
  • 浮かんだのは『漂砂のうたう』で描かれた、生け簀から押し流され路上を跳ねる金魚の姿。生き延びるには跳ね続け、どれだけ傷ついても生け簀に入らねばならない。例えその生け簀が澱んだ汚濁に満ちた世界であっても。 浮かんだのは『漂砂のうたう』で描かれた、生け簀から押し流され路上を跳ねる金魚の姿。生き延びるには跳ね続け、どれだけ傷ついても生け簀に入らねばならない。例えその生け簀が澱んだ汚濁に満ちた世界であっても。初心な恋の相手も素で忘れ上京し、大卒と学歴詐称して入った官営軍需工場で、真空管受信機開発に取り組むトザ。成り行きで関東軍大佐の娘を娶ったトザがまさか満洲であの大事件に関わるとは。「電気っちゅうのは絶対安全なものやないとあかんのや」小宮山工場主や、いけ好かないヤツだが金海の「ええか?世の中に出て素町人が使う→続 …続きを読む
    文庫フリーク@灯れ松明の火
    2017年04月09日
    164人がナイス!しています
  • 時代に抗い、時代に求められ、時代に流され、そしてのこの最期はあまりに虚しくはないだろうか!完全文系の私には難しいところが一杯で読了にとても時間を要した。それでも何かを追求する人の姿は胸を打つ!で終わり 時代に抗い、時代に求められ、時代に流され、そしてのこの最期はあまりに虚しくはないだろうか!完全文系の私には難しいところが一杯で読了にとても時間を要した。それでも何かを追求する人の姿は胸を打つ!で終わりだったら良かったのに・・人の心はままならないなぁと正直思うのだ。音三郎は悪くない!なんて言えないからちょっと哀しい。金海の姿がいっそ清々しく思うのだ。木内作家、渾身の力作だろうが下巻は特に複雑だった。それ故疲れた読書だった。再度、そりゃあ無いよ・・と云いたい。 …続きを読む
    いつでも母さん
    2016年11月02日
    135人がナイス!しています

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著者紹介

木内 昇(きうち・のぼり)

1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

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