鳴いて血を吐く

鳴いて血を吐く

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2012年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
328
ISBN:
9784041102640

鳴いて血を吐く

  • 著者 遠田 潤子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2012年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
328
ISBN:
9784041102640

最低の悪女をめぐる傑作ミステリ

離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞に、人気歌手・実菓子のインタビューの仕事が舞い込んだ。多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。 離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞に、人気歌手・実菓子のインタビューの仕事が舞い込んだ。多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「鳴いて血を吐く」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 一人称で書かれている部分がどこまでの事実を伝えているだろうと思いながら読んだら、次々に明かされる新事実に翻弄されっ放しだった。 どういう感じにまとめるのかと思っていたら、多少こじつけらしい点も有ったけ 一人称で書かれている部分がどこまでの事実を伝えているだろうと思いながら読んだら、次々に明かされる新事実に翻弄されっ放しだった。 どういう感じにまとめるのかと思っていたら、多少こじつけらしい点も有ったけど、最後には、伏線らしきものが全て回収されていて、少しびっくりした。 どれほどの謎が隠れているのかと思ったら、昔の村社会ではありそうな話で、その点はがっかりだった。 最後がちょっと違う気がしたけど、これが真実なのかもしれない。 …続きを読む
    散文の詞
    2021年08月09日
    164人がナイス!しています
  • 遠田作品初読み。因縁の呪縛が根深く影を落とす、旧態依然とした田舎の旧家。迦陵頻伽に喩えられるほどの美声に類い稀な美しさを持つ少女と、彼女に特別な感情を抱き続けた兄弟を中心に、現在と過去の余りにも愚かで 遠田作品初読み。因縁の呪縛が根深く影を落とす、旧態依然とした田舎の旧家。迦陵頻伽に喩えられるほどの美声に類い稀な美しさを持つ少女と、彼女に特別な感情を抱き続けた兄弟を中心に、現在と過去の余りにも愚かで哀しい人間模様が描かれる。幼少期に特異過ぎる大人の事情を理不尽に刷り込まれ、自己犠牲を余儀なくされながら生きてきたが故の諦念や憤り。そこから生まれた嘘、誤解。それらが隠された驚きの真実とともに顕になっていく物語は息苦しいほどに濃密で痛ましい。誰の心も血を吐くほどに鳴いている、"激情"の一言に尽きる作品だった。 …続きを読む
    🐾Yoko Omoto🐾
    2017年08月12日
    157人がナイス!しています
  • …(無言)…(沈黙)…読了した今の自分は空っぽだ…いや何も考えたくないのか…互いに冷たく妖しくぶつかりあう男女、その舞台はある閉鎖的な村。そこに蔓延るのは藤屋と斧屋、片や廃れつつ、片や滅びた両旧家をめぐる愛憎 …(無言)…(沈黙)…読了した今の自分は空っぽだ…いや何も考えたくないのか…互いに冷たく妖しくぶつかりあう男女、その舞台はある閉鎖的な村。そこに蔓延るのは藤屋と斧屋、片や廃れつつ、片や滅びた両旧家をめぐる愛憎に辟易する…もう序盤から外道・淫乱・邪魔・おもちゃ・種無しなど嫌悪感しかない言葉の羅列、重なるエピソードも虐待に腹上死にと容赦ないまま、トドメは破滅に絶やせとは…少女は鳴いて血を吐く迦陵頻伽(カラヴィンカ)の如く空を舞い美声で唄う、男達は泣いて悦に浸る狂人のまま溺れ堕ちる…僕はそれを拒んで反吐を吐く… …続きを読む
    nobby
    2020年07月25日
    152人がナイス!しています

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