「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2006年11月30日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
264
ISBN:
9784047033986
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「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男

  • 著者 大塚 英志
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2006年11月30日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
264
ISBN:
9784047033986

「捨て子」意識を持ち続けた二人の民俗学者が最後にたどり着いた世界とは。

柳田國男が幼い頃妄想した虚構の母。小泉八雲が神秘化した「ジプシーの血筋」。二人の民俗学者に共通する「捨て子」意識を手がかりに、日本民俗学の起源とその可能性を明らかにする。

〈目次〉
第一章 民俗学とファミリーロマンス
   第一節 ラフカディオ・ハーンと「ジプシーの血」
   第二節 民俗学と「貰い子妄想」
   第三節 起源の民俗学と民俗学の起源

第二章 民俗学のウィニズム的背景
   第一節 殺人事件の描き方
   第二節 民俗学と人相学
   第三節 天皇制イデオロギーは「遺伝」するか
   第四節 ハーンはなぜ「君が代」を論じたか

第三章 ナショナリズムと無意識
   第一節 「勇子」の気持ち
   第二節 「無意識」と民俗学
   第三節 ハーンの「心」、漱石の「心」

第四章 探偵と民俗学
   第一節 犯罪民俗学という隘路
   第二節 異常心理と伝承
   第三節 探偵という方法

第五章 偽ハーンの来歴否認
   第一節 『一異端者への手紙』を読む(1)
   第二節 『一異端者への手紙』を読む(2)

第六章 捨て子のための民俗学
   第一節 ウルフ・チャイルドとゴースト・チャイルド
   第二節 捨て子の民俗学

あとがき

主要参考文献
柳田國男が幼い頃妄想した虚構の母。小泉八雲が神秘化した「ジプシーの血筋」。二人の民俗学者に共通する「捨て子」意識を手がかりに、日本民俗学の起源とその可能性を明らかにする。

〈目次〉
第一章 民俗学とファミリーロマンス
   第一節 ラフカディオ・ハーンと「ジプシーの血」
   第二節 民俗学と「貰い子妄想」
   第三節 起源の民俗学と民俗学の起源

第二章 民俗学のウィニズム的背景
   第一節 殺人事件の描き方
   第二節 民俗学と人相学
   第三節 天皇制イデオロギーは「遺伝」するか
   第四節 ハーンはなぜ「君が代」を論じたか

第三章 ナショナリズムと無意識
   第一節 「勇子」の気持ち
   第二節 「無意識」と民俗学
   第三節 ハーンの「心」、漱石の「心」

第四章 探偵と民俗学
   第一節 犯罪民俗学という隘路
   第二節 異常心理と伝承
   第三節 探偵という方法

第五章 偽ハーンの来歴否認
   第一節 『一異端者への手紙』を読む(1)
   第二節 『一異端者への手紙』を読む(2)

第六章 捨て子のための民俗学
   第一節 ウルフ・チャイルドとゴースト・チャイルド
   第二節 捨て子の民俗学

あとがき

主要参考文献

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • ルーツの異なる2人の代表的な民俗学者が、なぜ来歴否認の物語に拘ったのか。それは自分たちの生い立ちにあるのだが、もっと社会的な意味があるのではないかと考察した本。「民俗学とは何か」を理解していなかったこ ルーツの異なる2人の代表的な民俗学者が、なぜ来歴否認の物語に拘ったのか。それは自分たちの生い立ちにあるのだが、もっと社会的な意味があるのではないかと考察した本。「民俗学とは何か」を理解していなかったことに気付き、そのことばかり考えながら読むことになる。読ませる語りの上手さに誤魔化されるが、一体何を論じているのか文意が取りづらい。前半はハーンに軸足がある。個人の脆弱な日本では、個人を超えた集団の心の設計が必要になる。ハーンは骨相学や人相学、柳田は「重ね撮り写真」と形容される重出立証法により、優生学としての進 …続きを読む
    ころこ
    2023年05月23日
    42人がナイス!しています
  • 八雲を起源の民俗学者として称える論文からの展開。柳田のキナくささ。リアリストの側面のほうで、捨て子を社会の養子とし、母性にすべての責を負わせることを押しとどめる柳田は、何か感動的だった。そして、民俗学 八雲を起源の民俗学者として称える論文からの展開。柳田のキナくささ。リアリストの側面のほうで、捨て子を社会の養子とし、母性にすべての責を負わせることを押しとどめる柳田は、何か感動的だった。そして、民俗学者の系譜は、南方、折口、宮本、谷川・・と相当はげしいストーリーを持った個性たちで重なっていくんだなあ。 …続きを読む
    きいち
    2011年09月29日
    4人がナイス!しています
  • 起源の民俗学者たちは来歴否認者であり、彼らによって紡がれる民俗学という学問は、必然ファミリーロマンス的にならざるを得ない、という面白い論旨。柳田國男とラフカディオ・ハーンの対比を主軸に論は進む。とはい 起源の民俗学者たちは来歴否認者であり、彼らによって紡がれる民俗学という学問は、必然ファミリーロマンス的にならざるを得ない、という面白い論旨。柳田國男とラフカディオ・ハーンの対比を主軸に論は進む。とはいえ、大塚の論旨自体がちょっと甘美でファミリーロマンスっぽい気もする。むしろこれは、ファミリーロマンスの呪縛というべきか。この人の場合、そこまで狙って書いてるような気もするが。 …続きを読む
    三柴ゆよし
    2009年03月07日
    4人がナイス!しています

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