妖櫻忌

妖櫻忌

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2001年11月30日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
240
ISBN:
9784048732789

妖櫻忌

  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2001年11月30日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
240
ISBN:
9784048732789

美しい一輪の華。その華を咲かせるために摘み取られたのは、私。

高名な女流作家・大原鳳月が事故で死亡した。葬儀の翌日、担当編集者・堀口の元に大原の秘書・若桑律子が、自分の書いた原稿を持ち込んできたが・・・。女の情念が、人の心を凍えさせるホラーエンタテインメント 高名な女流作家・大原鳳月が事故で死亡した。葬儀の翌日、担当編集者・堀口の元に大原の秘書・若桑律子が、自分の書いた原稿を持ち込んできたが・・・。女の情念が、人の心を凍えさせるホラーエンタテインメント

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「妖櫻忌」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 本作はホラーであろうか。一面的にはそれは正しい。だがその本質は、ホラーの装いを纏った様式美の幽玄な文芸作品である。とは言え、その霊的な場面の鬼気迫る描写は圧倒的で、息をつめ一筋の光も射さない暗渠に沈み 本作はホラーであろうか。一面的にはそれは正しい。だがその本質は、ホラーの装いを纏った様式美の幽玄な文芸作品である。とは言え、その霊的な場面の鬼気迫る描写は圧倒的で、息をつめ一筋の光も射さない暗渠に沈み込んでゆくような恐怖に捕らわれる。全編を通しての要諦と言えるのは「女の情念」と「芸術家の執念」であろうか。子弟関係ながら密やかに抱く確執。「花を摘まれた」と表現される怨念と、葛藤の果ての自己崩壊。格調高い流麗な筆致で、人間の業の深淵を描き切る。僕は心を奪われたが、心霊描写が苦手な方にはお薦め出来ないのが残念。 …続きを読む
    みも
    2020年03月29日
    144人がナイス!しています
  • ★★★☆☆ この作家のタイトルはどれも秀逸。それだけに期待度が上がってしまう。今作は編集担当者が主人公。死んだ女流文学者・鳳月とその助手・律子の作品と確執を追う。作中作の文体は美しい。それが誰の文ににせよ ★★★☆☆ この作家のタイトルはどれも秀逸。それだけに期待度が上がってしまう。今作は編集担当者が主人公。死んだ女流文学者・鳳月とその助手・律子の作品と確執を追う。作中作の文体は美しい。それが誰の文ににせよ律子に書かせ続ける狂的な心理がこの主人公にあれば。あるいは冷めた視点で眺めるか。いずれかならもっと違っていただろう。作家の執念と女の情念が描かれているが、序盤の律子のゴーストライター的発言は何だったのだろう。それが真実なら作品自体が破綻してしまうのだが。 …続きを読む
    名駿司
    2020年08月15日
    16人がナイス!しています
  • 怖い。恐い。こわい。 作家が弟子に乗り移り、作品を書かせているのではないかという妄想。 文学の世界の弟子というものが、本当に存在するかどうかを知らない。師匠亡き後、弟子の力の示し具合が勝負なのだろう。 怖い。恐い。こわい。 作家が弟子に乗り移り、作品を書かせているのではないかという妄想。 文学の世界の弟子というものが、本当に存在するかどうかを知らない。師匠亡き後、弟子の力の示し具合が勝負なのだろう。 恐い話を読みたい人にお勧め。 著者も作家なので、出版の裏事情には詳しいはず。 …続きを読む
    kaizen@名古屋de朝活読書会
    2013年04月09日
    10人がナイス!しています

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