一人の少女が、この路地で消えた。1987年10月23日――。拉致? 神隠し? UFO? それともーーあの日、少女に何があったのか。





※marginal 【形容詞】 辺境の、周辺部の、縁にある、末端の、ぎりぎりの。二つの社会・文化に属するが、どちらにも十分には同化していない、境界的な、という意味を持つ(研究社『リーダーズ英和辞典』より)。

UFOや宇宙人、アトランティスなど何でもござれの雑誌「マアジナル」編集部に不本意ながら就職することになった高木。彼は編集長から何か不思議な体験をしたことがないかと問われ、中学の頃、後輩の女の子・江上紗子が行方不明になったことを思い出す。その夏能登の中学校では、はしかのようにこっくりさんが流行し、UFOを目撃したと吹聴する生徒が次から次へと現れた。そんな中、6人の仲間が、ある夜手に手をとって輪を作り夜空に祈った。「聴こえますか。僕たちは、ここにいます」。小一時間もたった頃、その頭上に現れたのは…。この夜を機に、彼らの運命の歯車は少しずつ狂い始め、仲間の一人江上紗子は行方不明となってしまった。高木がこの運命をたぐりはじめたことをきっかけに、残りの5人の人生が再び交錯し、世界は静かに揺らぎ始める・・・・・・。
自分が見ているのは、本当に現実と言えるのか? 一人の少女の行方不明事件とそれを巡る人々の人生を通し、「現実」と「非現実」の境界の曖昧さ、認識の枠を超え誰も見たことのない、遙かな世界の一端を鮮やかに描き出す。田口ランディの最高傑作長編!

田口ランディ(たぐち・らんでぃ)
オフィシャル・ウエブサイト http://www.randy.jp/
1959年生まれ。作家、エッセイスト。2000年長編小説『コンセント』でデビュー。主に人間の心の問題をテーマに幅広く執筆活動を展開。小説に『アンテナ』『モザイク』『被爆のマリア』『キュア』『蝿男』『蛇と月と蛙』、エッセイに『ほつれとむすぼれ』『パピヨン』『生きなおすのにもってこいの日』など多数。