2004.01.29
いよいよコミック版「ポグリ」の刊行ですね。
「今回、絵本をコミックにするということでいろいろ考えました。新連載をはじめるときはいつもなにか新しい仕掛けを試みているのですが、今回一つあったのは、吹き出しを使わず、セリフを全部ト書きにしてみるということです」



ポグリを描く上でのルールということですね。
「まあ、そんなに大げさなものでもないですが……。とにかく絵本で作った世界観をいかすようにはしています。『ポグリ』では時間とか場所を決めないように描いているんです。漠然とした、どこでもなく、いつかもわからないような世界が描けるように……」



どこでもなく、いつかもわからない……。本当に漠然としていますね。
「寝ている時に見る夢の中のほわ〜っとした感じを出したいと思っているんです。現実にはないんだけど、なにかある……みたいな。もちろんギャグも描いていますが、『ポグリ』ではそれ以外の部分で、そうした曖昧なイメージを明確に描き出すということに力を注いでいます。夢と現実が入り混じったような世界を表現してみたいんですよね」



アイデアはつきることなく浮かんできますか?
「いや、でてこないこともありますよ。自分でものすごく面白いと思って描いても、案外ウケなかったり。逆に調子悪いと思って描いたときのものがウケたりね。こればっかりは分からないですよ」



アイデアがおりてくる瞬間っていうのは、どんな感じですか。
「“おりてくる”というよりは、断片的に考えていたものがだんだんつながっていく感じですね。机の前に座って散々考えて、疲れてきたあたりでうまいことあわさっていく。それが“おりてくる”といえば“おりてくる”感じなんじゃないですかね。ずっと考えてから寝ると、次の朝、頭のなかで出来上がっていた、なんてこともあります。寝ているあいだに脳が整理してくれるんですよ。考えておいて寝る。うまくいかないときはいさぎよく寝てしまうのがよいのかもしれません」



ポグリというキャラクターについてきかせてください。
「本のあとがきにも書きましたが、石鹸のイメージが最初にありました。石鹸といっても“洗う”とかそういうイメージではなく、“石鹸のかたさ”なんです。あの独特の質感が前から気になっていて、キャラクターを作るときのモチーフにしました。あと、僕は人形アニメが好きなので、いつかああしたものができるといいなと思っています。結局、自分の好きなものを集めて漫画に描いているというか……。ニュースの話題をいかして描く漫画もありますけど、『ポグリ』の場合は自分の好きなものを集めて描きあげた、というところがありますね」



他にもコミックにはたくさんのかわいいキャラクターや動物たちが登場しますが、猫だけはあまりかわいく描かれてないですよね……。
「いや、猫は好きなんですよ。ただ、かわいいやつよりはひねくれたやつのほうが好きなんです。クリクリしたかわいいやつよりはちょっと嫌われてる感じのほうがいいんです」



最後に読者の方へメッセージを。
「まあ、忙しい人が読んでストレス発散になるようなコミックではないけれど、トイレに入ったときにちょっと読むとか、喫茶店に入ったときにちょっと読むとか、軽い感じで読んで欲しいですね。あまり過剰な期待をしないで、気軽に読んでもらえると嬉しいです」


お忙しいところをどうもありがとうございました。

写真撮影:龍田浩之



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