スタッフルーム探訪 : 作画監督・青山浩行さん
「時をかける少女」の制作は、いよいよ作画作業が終わって最後の追い込みに入っています。
作業完了も秒読みの先週、スタッフルームにお邪魔してきました。いろんな方に作品の見所と細田監督について、ちょっと話をうかがってきましたよ。これから不定期にお届けします。
まず最初は、三人の作画監督の一人、青山浩行(あおやま ひろゆき)さんです。

青山さんの作監担当カットは、物語前半のA,Bパートが中心です。真琴がタイムリープをどのように使っていくのかが見えてくる、そんな部分です。
「動きの多いところではなくて、会話シーンなんかが多いんですね。地味なシーンは、ホントは苦手なんです。普通の日常の動作がほとんどなので、苦労しても画面に派手さがあるわけではないんですね。全力で頑張って描いて、それで観た人が「普通の生活のシーンだな」って思う、そんな感じなんです」
具体的に、どんなシーンで一番苦労しました?
「家庭科室の調理実習でしょうかね。人が沢山いるモブシーンで、生徒がいっぱいいて、色んな柄のエプロンしてるんですね。そういう状態で(物語上の)アクシデントが起こるので、非常に大変なシーンでしたね」
この家庭科室はかなりのドタバタが繰り広げられる前半の見所ですが、詳しくは観てのお楽しみです。
さて、青山さんは実は細田監督の前作、「ワンピース・オマツリ男爵と秘密の島」でも原画を担当されてました。その時の話をちょっと聞いてみました。
「マッドハウスの制作作品『MONSTER』でコンテを担当したことがあって、そのコンテのチェックの合間にワンピースの仕事をしたんです。今回の作監の一人、久保田さんから依頼があったんです。作品の終盤、ルフィーが画面の奥から煙の中をゆっくり歩いてきて、そこに矢が飛んでいくシーンなんですが、その煙の部分のエフェクト作画です。一週間、煙を描いてました」
「オマツリ男爵」ラスト間際の、ルフィがかっこいいあのシーンですね。矢が通ったあとにスーッと消えていく白煙、あそこを青山さんが描いてたんです。
青山さんは「MONSTER」や「花田少年史」で絵コンテを担当したコンテマンでもあります。そういう方から見ると、細田監督のコンテってどんな風に見えるんでしょうか。
「前にいた会社が、テレコム・アニメーション・フィルムという所なんですけど、メンバーの流動性があんまりない所だったんで、他社の作品を自分たちで勝手に見て刺激を受けるしかなかったんですね。その時から、細田さんみたいに描けたらいいなって、お世辞なしにホントに思ってたんですよ。画面作りが他とまったく違うってところがハッキリあったので。いつか細田さんの作品に参加できればいいなと思ってたんですけど、今回パート作監っていきなりの大役になってしまいまして。細田さんと仕事できる感動より不安の方が大きくなってしまって…」
「時かけ」で、実際に細田さんと同じ部屋で仕事してみて、どう思いましたか?
「時には頑固で、こだわりを見せる時もありますけど、かなり気を遣ってもらった印象がありますね。いろんな面で、映画の監督になれる適性をもった数少ない方だな、って思いましたよ」

▲家庭科のシーンの絵コンテ、読めるかな?
細田監督は、映像と音をまとめる最後の段階の作業に取りかかってます。
完成まで秒読み、という状況で、ブログもパワーアップしていきますよ。
作画さん、美術さんのお仕事は、随時紹介していくつもりです。