バッテリー/あさのあつこ
著者紹介:あさのあつこ
1954年岡山県に生まれる。青山学院大学文学部卒業。『バッテリー』(教育画劇)で野間児童文芸賞、『バッテリー』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI〜VI』で小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に『バッテリーI〜VI』(教育画劇)、『福音の少年』(角川書店)、『No.6』シリーズ(講談社)、『弥勒の月』(光文社)などがある。



青春真っ只中の読者たちへ
友情や信頼、プライドってどのように得られるの? 『バッテリー』への思い入れ、そして10代の私たちへ伝えたいこと。著者のあさのさんが自ら語ってくれたよ。

10代のいまだからできることがある

友情って、信頼って、なんだろう

『バッテリー』はスポーツ小説ではなく、巧と豪が友情を育むだけの物語でもありません。時にふたりは衝突し、口もきかないほどに。けれども、決してそれで終わりはしません。ふたりの間には「信頼」があります。キャッチャーを信頼できなければ、ピッチャーはマウンドに立つこともできないのです。
巧と豪のように、「最終的に自分を受け止めてくれる」相手がいるって大切だなあと思うのです。皆さんも友だち同士などで、最初は誤解したり、傷つけ合うこともあるかもしれません。でも、それを乗り越えて相手に踏み込むことで、本当の意味での理解が生まれると思いますよ。

10代のいまを大切に感じ、行動してほしい

巧は何かと親や教師に反抗します。私も子どもの頃、何をするにも親の許可が必要なことが嫌でした。皆さんも、保護者や先生の言うことをうるさいと思うかもしれません。理不尽に感じることや、逆に、よく考えれば自分のほうが間違っていたかな、ということもあるでしょう。
結論から言えば、どっちだっていいんです(笑)。人生に正解なんかないのですから。でも、いまそう感じる「思い」や「パワー」は大切にしてください。そのなかから、自分のいいところをどんどん伸ばしてほしいのです。それが一番できるのが10代だと思います。

たくさん読んでいただきうれしい

『バッテリー』が単行本で完結したのは2005年1月。いまも多くの方が読んでいることをうれしく思います。映画も作っていただくことになりました。映画に対する注文は全くありません(笑)。一映画ファンとして完成を待っています。
皆さんもぜひ、一人ひとりの感じ方で『バッテリー』を楽しんでいただければ幸いです。
 
(2006年4月に書店用に配布された小冊子より記事掲載)